「新じゃが」と聞くと、限られた時期にしか収穫できない作物に思えます。
実際のところ、新じゃがが採れる時期は長いものです。
北海道や九州といった気候の違う地域で栽培されているため、長期に渡って新じゃがは収穫されているのです。
そこで今回は、地域ごとに異なる新じゃがの収穫時期について解説します。
目次
地域によって新じゃがの採れる時期は違う!
・九州における新じゃがの採れる時期
・北海道での新じゃがの採れる時期
普通のじゃがいもと新じゃがは何が違う?
・出荷までの期間の違い
・食感や味わいの違い
地域によって新じゃがの採れる時期は違う!

じゃがいもというと北海道のイメージが強くあるかもしれませんが、九州でも栽培されています。
そして、この「新じゃが」は九州と北海道で収穫時期が異なってきます。
九州における新じゃがの採れる時期
一般的に「新じゃが」と言われるのは、九州やその周辺地域でとれたものを指します。
特に、長崎県や鹿児島県のものが多いとされています。
これらの地域では、冬の間にじゃがいもの作付けを行い、3月~6月にかけて収穫します。
新じゃがと呼ばれるのは、この時期に収穫されるじゃがいもの事になります。
ちなみに、初秋に植えて晩秋に収穫する秋作もあります。
他にも10月以降に植えて冬に収穫する冬作もあります。
九州は温暖な地域のため、二期作・三期作が可能です。
なお、九州の新じゃがは小ぶりで瑞々しく新鮮とされています。
北海道での新じゃがの採れる時期
一年を通して市場に流通している「じゃがいも」というと、北海道のものが多いです。
実際、日本で流通しているじゃがいもの75%以上北海道で生産されています。
その北海道産じゃがいもの中でも、4月~5月に作付けして7月に収穫するものが「新じゃが」になります。
雪が積もる北海道は、基本的に一基作となります。
九州のように、年に何度も作付けすることはできません。
全国で作られているじゃがいもですが、実は寒い場所を好む野菜です。
そのため、北海道の環境は非常に適しており、だからこそ収穫量のほとんどを北海道産のものが占めているのです。
普通のじゃがいもと新じゃがは何が違う?

では、新じゃがと普通のじゃがいもは何が違うのでしょうか?
ここからは両者の違いについてまとめます。
出荷までの期間の違い
一年を通して食べられる「じゃがいも」は、収穫したてのものを出荷しているわけではありません。
じゃがいもは、保存が効く作物なので、貯蔵しておき随時出荷されるのです。
しかし、「新じゃが」は違います。
新じゃがは貯蔵されず、すぐに出荷されます。
この違いは、「新じゃが」が完熟させていない状態で収穫しているためです。
新じゃがは水分が多いので、保存が効きません。
また、皮も薄いので保水能力も低いのです。
そのため、収穫されたものはすぐに出荷されます。
ちなみに、通常のじゃがいもが保存が効くのは完熟しているためです。
完熟し、皮も厚くなった状態で収穫したじゃがいもは、適切な環境においておけば保存の効く野菜となるのです。
食感や味わいの違い
新じゃがは、普通のじゃがいもに比べて皮が薄いです。
そのため、皮ごと食べてしまっても問題はありません。
皮には、野菜の栄養がふんだんに含まれています。
新じゃがは水分も多いため、素材そのままの食感が楽しめます。
普通のじゃがいもは逆にほくほくとした食感が強いです。
煮物などにしても煮崩れしづらく、深い味わいも感じられます。
どちらも美味しいことには変わりませんが、まるで違う食材の様です!