少しでも長く住むために長期優良住宅を選ぶ
不動産情報サービスのアットホームの2021年調査によれば、新築一戸建ての寿命は平均56.6年だという。欧米に比べ、日本の住宅の寿命がかなり短いのは有名な話だ。
「かつて、建て替えまでの平均寿命は日本が33年、アメリカは55年、イギリス77年といわれていた。それをせめて50年、100年にしていこうということで2009年にスタートしたのが『長期優良住宅』という認定制度だ。高品質な住宅を建てて大切に長く住んでいこうという時代になった。大手住宅メーカーで建てると、制度の基準をクリアした注文住宅の単価は4000万円以上と決して安くない。しかし、最近は中堅メーカーでも長期優良住宅を扱うところが出てきて、半額の2000万円で建てられる」(山下氏)
山下氏は、住宅メーカーによるアフターサービスにも注目してほしいと言う。
「10年保証は当たり前で、最近は大手・中堅では30年保証が標準になってきている。それから、築30年で会社所定の検査を受けて問題がなければ、さらに30年保証を延長するという、結果として60年保証という制度をやっているメーカーもある。保証が長ければ、やはり大規模補修などの費用もかなり節約できるのではないか」
修繕やリフォームでは国・自治体の補助金を忘れずに
「屋根や外壁の修繕だけでなく、家の長寿命化のために、耐震性能向上や各種リフォームでは、国や自治体の支援策・補助金を積極的に活用したい。自治体のなかでもとくに東京都は充実している」(山下氏)
国では今年度から以下3つの新しい補助金・助成金制度を始めた。
・住宅の断熱性向上のための先進的設備導入促進事業(経済産業省・環境省)
・こどもエコ住まい支援事業(国土交通省)
・高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金(経済産業省)
これら3つの補助金制度は、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、住宅の省エネ化を強く推進する目的で設置されたものだ。3つを併用すれば、リフォーム工事内容によっては、一般世帯で最大245万円、子育て・若者夫婦世帯で最大260万円も助成される。さらに、高断熱窓リフォームには、国の補助金だけでなく、東京都民は最大116万円の補助金も併用できる。東京都の高断熱窓・ドアに対する補助金制度は2022年6月から始まっているからだ。ドアやサッシの製品価格もますます高騰しているだけに、せめて併用して補助金額を増やしたいところだ。
(文=横山渉/ジャーナリスト、協力=山下和之/住宅ジャーナリスト)
提供元・Business Journal
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