皆さんは北海道や北陸などの地域に咲くクロユリを見たことがありますか?
クロユリはその名の通り、ユリに似た黒い花を咲かせる植物です。
黒い花は珍しい上、ユリはカサブランカのような白い純白の花が特に知られているので真逆なイメージを受ける花ともいえます。
そしてこのクロユリ、その花言葉は「恋」「呪い」という不思議な組み合わせをしています。
この花言葉には、ロマンチックな逸話と恐ろしい伝説が関係していると言われているんですよ。
ここではクロユリという花について解説します。
目次
クロユリとは
・開花時期
・クロユリの姿や特徴
・クロユリは厳密にはユリの仲間ではない
クロユリの花言葉
・恋の魔術
・恋
・呪い
クロユリとは

クロユリは白いユリと似た形をしていますが、名前の通り黒い花を咲かせます。
開花時期
クロユリの開花時期は4月~8月頃、市場によく出回っているのは5~6月となりますです。
最盛期は5月頃なので、初夏の花とされます。
クロユリの姿や特徴
クロユリは多年草で寒さに強く、暑さに弱い高山植物です。
そのため日本では北海道や北陸地方など寒い地域でよく育ちます。
またクロユリには、本州型と北海道型があります。
本州型は草丈が15~30㎝程度で、花は3輪ほどしか咲きません。
北海道型は本州型よりも大型で草丈は50㎝以上あり、花もたくさん付けます。
クロユリは厳密にはユリの仲間ではない
クロユリは、実は白いユリとは別物でありユリの仲間ではありません。
白いユリは「ユリ科リリウム属」ですが、クロユリは「ユリ科バイモ属」に分類されます。
バイモ属は多年草で、日本には数種ほど分布しています。
花は鐘状で茎先に1~数個つき、下向きに咲きます。
クロユリの花言葉

クロユリの花言葉には、「恋の魔術」「恋」「呪い」などがあります。
なぜこのような花言葉になったのか、その由来を詳しく見ていきましょう。
恋の魔術
花言葉「恋の魔術」はクロユリの珍しい花の色と、ハエが好んでやってくるその特徴的な臭いから来たと言われています。
魔女などが儀式を行っている、といったイメージを持たれたようですね。
恋
クロユリの花言葉の「恋」は、アイヌ民族に伝わる伝承が元となっています。
アイヌ民族には、「好きな人への想いを込めたクロユリを想い人の近くに気付かれないようにそっと置いて、相手がそのクロユリを手にすると、いつの日か2人は結ばれる。」という言い伝えがあるそうです。
アイヌ民族の人たちから、クロユリが「恋が叶う象徴の花」とされていたことから、クロユリの花言葉「恋」が生まれました。
呪い
「呪い」というクロユリの花言葉は、戦国武将の「佐々成政(さっさなりまさ)」の側室「早百合」が、成政によって殺された際に呪いの言葉を残したという伝説が由来となっています。
その呪いのせいなのか、佐々成政は豊臣秀吉の命で切腹して果てることになります。
戦国時代の武将・佐々成政(1536年~1588年)の側室・早百合はとても美しく、成政は早百合のことを深く寵愛していました。
成政からの愛を一身に受けた早百合は、彼の子供を身ごもります。
ところがそんな折、「早百合が密通している、お腹の子供は成政の子ではない。」という噂が流れてしまうのです。
その噂を聞いた成政は大激怒。
有無を言わさず身重の早百合を神通川の川沿いまで引きずって、処刑してしまいます。
早百合は、成政に殺される際に「立山にクロユリの花が咲いたら、佐々家は滅亡する」と呪いの言葉を残して亡くなったのだとか。
この早百合の末期の言葉から、クロユリには「呪い」という花言葉があるのです。