優待を実施している企業には、誰もが良く知る大手から、あまり名前の知られていない企業まで、実に多くの種類がある。特に新規上場してから1年程度の企業の場合には、名前や事業内容は知られていても、優待の内容までは詳しく知らないという投資家は多い。

本記事では、事業内容や優待内容が魅力的な企業としてバルニバービ <3418> を紹介する。バルニバービは、おしゃれなレストランを展開している企業だが、テレビなどのメディアでも話題になることがある。

以下、項目ごとにバルニバービの魅力をお伝えしていく。

**1. バルニバービの事業内容、株主優待の内容

  1. バルニバービの株主優待 おすすめポイント、向いている人
  2. バルニバービの最近の事業展開
  3. バルニバービの業績・財務状況**

1. バルニバービの事業内容、株主優待の内容は?

流行に敏感な若者や、おしゃれでグルメ好きな女性向けにレストランを展開する企業。代表的な店舗に「THE GARB」「GOOD MORNING CAFÉ」などがある。

バルニバービは、あえて駅から遠い場所や人通りの少ない場所にレストランを出すことが多い。コストを低く抑えることができるうえ、他にはないという希少性を出すバッドロケーション戦略を行うことで知られている。これが功を奏し、業績も伸長。今注目の外食系企業の一つとなっている。

上場したのが2015年10月28日のため、まだそれほど長い時間が経っているわけではないが、上場後には株式を分割して株価を下げたり、優待を新設・拡充したりすることで投資魅力を一層高めている。

(1)食事券
・100株以上で2000円相当またはオリジナル商品
・300株以上で4000円相当またはオリジナル商品

(2)メンバーズカード(長期保有優遇制度、レストラン割引)
・ブロンズ(100株1年以上、300株半年以上)割引率3%
・シルバー(100株3年以上、300株1年以上)割引率5%
・ゴールド(300株3年以上、500株2年以上)割引率10%

(3)イベント招待などの抽選

※優待内容(7月・1月の年2回)

2. バルニバービの株主優待 おすすめポイント、向いている人

バルニバービの優待は、その優待内容の豊富さが魅力だ。食事券による食事と、メンバーズカードによる食事の割引(長期保有優遇制度)、抽選によるイベントへの招待など、外食系企業にしては優待のバライエティーに相当力を入れていることがわかる。

外食系企業の優待は一般に利回りが高いことで知られているが、バルニバービの優待利回り自体はそれほど高くない。その分、いろいろな優待内容を組み合わせることで、投資家を自社のファンにしていこうという企業側の意図が透けて見える。

バルニバービの優待は、おしゃれに敏感な女性向けの優待だ。また、若い大学生ぐらいのグループやカップルが利用するようなレストランやカフェが多い。一方でターゲット層拡大による目論見から健康志向の顧客を取り込もうとするなど、今後は新しい形の飲食施設が増えていくことが予想される。

3. バルニバービの最近の事業展開は?

最近は「アスリート食事事業」を推進。昨今の健康志向の顧客をターゲットにして顧客層拡大を狙う。ほかに大津駅リニューアルプロジェクトの一環として、カフェ、バーベキュー、宿泊施設などを併設する複合施設のザ・カレンダーなどを展開。売上高増に伴い、利益を削って新規事業への投資を積極的に行っている段階だ。

4. バルニバービの業績と財務は?

【業績】
すでに発表されている第一四半期決算(バルニバービの本決算は7月)によると、売上高は前年同期比で19.8%増加、一方で営業利益は同10.4%減少、純利益は10.9%減少となっている。これは台風などの影響でカフェテラス席の稼働状況が悪化したことや、新店のオープンに伴う事業投資による利益圧迫によるもの。

【財務】
総資産に対する自己資本の割合である自己資本比率は35.6%(70%程度が安定した水準といわれている)。自己資本による純利益をうみだす比率であるROEは25.3%と高め(8%程度の合格ラインを大きく上回る)。成長企業特有の財務の健全性は低めでも利益率は高いという特徴を持っている。

バルニバービの今後は? 成長期待のある優待銘柄

上場後1年半ということもあり、株主還元に重きを置くというより、新規出店や新規事業への投資を行っている段階だといえる。

今後、企業価値が高まり時価総額も大きくなってくれば、1株利益に対して配当を多く出したり(配当性向を高める)、株主優待をより魅力のある利回りまで高めたりすることも考えられる。

買い参入のタイミングとしては、市場の株価ショック時に買うのが良いだろう。また現在は株価が押し目を形成している段階なので、上昇トレンドの押し目ととらえ参入してみるのも一つの戦略だ。成長期待のある優待株ととらえて、優待と値上がり益の両方を狙いたい。

文・谷山歩(たにやま あゆみ)/ZUU online

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