衝撃の元首相暗殺事件から1年、私たちが失ったものの大きさを改めて実感することが多い。今になってさえ、安倍晋三を回想する声は、与党自民党もそうだが野党から聞こえてくる声の方が大きい。また、その支持者も然りだ。
一方で、金融緩和効果が着実に表れている証左として、賃金上昇、失業率低下、有効求人倍率の高さ、インフレ圧力に同調した賃金上昇機運と少し考えても既に結果は出ているのだが、野党が言いたいことはそこではないようで、先の拙稿でも触れたように、未だモリカケだの桜だの文書改竄だのと騒ぎ立てている。
繰り返すが、それは負け犬の遠吠えでしかなく、安倍晋三が残したものに縋って普段の生活を送っている筈の野党議員とその支持者ですら、未だ安倍晋三に対しての甘えが見られる。つまり、鬼籍に入った不世出の宰相はゆっくり休むこともならず、泣きじゃくる子供達に手を差し伸べ続けているのだ。
本当に安倍晋三が稀代の悪代官だったなら、話題にすら登らないだろう。ところが、安倍晋三亡き後をどうにかこうにか生き抜こうとしている我々以上に、野党議員とその支持者は安倍晋三の功績を懐かしむ。その声は、安倍晋三に救いを求めている声そのものではないか。
実際の数字で見れば、これは明白だ。岸田政権の支持率は、低迷したままだが、これは誰が政権を握ろうと、概ね同じような数字が出る。期待の裏返しと言われているのが、アベノミクス継承かと思われた政策のうち、増税路線に向かいつつあることが支持率を下げている最大の要因であることは間違いない。
内閣支持率