また、確定給付企業年金についても、その制度があるということ自体において、「従業員の安定的な資産形成」に大きな役割を演じているわけだから、制度の持続可能性を高める意味で、資産運用において適正な収益をあげるべく努めることは、企業の重大なる責務だと考えられる。
なお、いうまでもなく、企業年金資産の運用収益は、給付額の改善に充当されることはないが、企業が制度を維持する費用には充当されるのだから、間接的に給付の安定性と確実性を高める効果をもつわけである。
しかし、このことは、全く逆に、資産運用収益が低迷すること、あるいは投資損失の発生することは、企業の制度維持費用を増加させる可能性をも意味し、企業にとって、確定給付企業年金の資産運用は、意図しない費用の増加という不確実性の原因にもなるということである。
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森本 紀行 HCアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長 HC公式ウェブサイト:fromHC twitter:nmorimoto_HC facebook:森本 紀行
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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