自民党政府は企業の味方

また自民党政府は企業の味方であるから、昇給を法令化することに躊躇っている。自民党はこれまでも企業に肩入れして来た例は色々とある。

例えば、大手企業や金融機関が経営破綻に陥りそうになると、官僚組織がそれをできるだけ遅らせて来た。その間、政府は公的資金を使って間接的に企業の再建を図ろうとした。そして公的資金の無駄使いとなるのが結末である。

銀行では大量の行員が余る状態になっている。しかし、彼らを大量に解雇するのは控える傾向にある。それが銀行の経営にマイナス影響してもそうせざるを得ない雰囲気が社会的にある。余剰人員をさっさと解雇して、銀行の負担を軽減させて強力な銀行に再生させればよいはず。そして解雇された行員は別の職場を見つけるようにすればよいこと。このスムースな動きが日本ではできないというのが現状である。そして銀行は余剰人員を抱えたまま弱体化して行くのである。

日本は多くの場面で温情主義が目立つ。それが日本全体を弱体化させている。

日本は物質的に恵まれ平和過ぎる

日本は非常におとなしい国である。平和な国で、民族闘争はない。島国で国境での紛争もない。生活するにも大半は輸入ものであるが、物資面でも豊かである。これらのことが当たりまえだと多くの日本人は思っている。勿論、住宅は高く、雇用が安定しない若者にとっては生活するのは容易ではない。子持ちの親は教育費の負担は重い。しかし失業率は低く仕事も何かありつける。交通の便も良い。治安も比較的良い。

日本はこと物質面について言えば恵まれた国である。だから、敢えて生活改善を求めて抗議しなければならないほど困ってはいないということなのであろう。

しかも、多くの日本人は議論を避ける傾向にある。内心は不満でも事態を穏便にしておいた方が良いという考え方が社会で支配している。だから個々に不満は貯まるが、それが社会秩序そして隣人と円滑な関係を保つことに役立つからだという考え方なのである。

日本は繁栄していた過去から抜け出せないまま衰退して行くように筆者には思える。それを変えるにこれまでの社会的慣習にメスを入れる必要がある。それにはまず最初に国家の舵を握る政治を変えねばらないのが早急に必要である。新しい政党を誕生させて過半数の議席を獲得して改革を断行して行くことである。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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