そこで私は壮大なる実験を何年もしています。それは自分に必要な最低限の給与だけでどこまで生活可能か、です。逆に言えばいくらあれば生活できるのか、です。阿呆な実験なのですが、家計簿をつけて入りと出を管理し続けています。結論的に言えば私はひと月30万円あれば相当余裕がある、です。この30万円には集合住宅の管理費の月10万円や固定資産税、各種保険、自動車の維持管理費、光熱費、ネット接続費から食費などぜーんぶ入れて、です。逆算すると食費と娯楽、服飾費の出費は月10万円で有り余るのです。医療費は無料だし、普段は車に乗らず、バスと電車かなるべく健康のために徒歩です。確かに外食はしますが、多くは会社関係ですから自分の身銭ではありません。ちなみに昼は株式市場が動いているので外食しませんし、誘いも受けません。
この実験を通じて一つの達観をしました。自分にいくら資産があっても叔母のようになるだけだ、と。なので貯金もないけれどその必要もないと悟ったのです。だから何年たっても同じ報酬額が続きます。必要になれば会社からボーナスをもらいます。笑 ちなみに私の日本法人からは設立以来十数年、報酬は1円すらもらったことはありません。必要ないからです。確かに会社の株式は私が持っているけれど株式は私が死んでも誰かが持ち続けることになるので会社の価値を極大化する路線をもちろん追求します。しかし、税金を考えて自分の資産額を現時点の価値で税務上確定させる特殊な税務対策を行う予定です。引き続き、会社の代表ですが、今後増える会社の価値は私の指定する方々が享受する、ということです。
お金は見栄で使うことも多いでしょう。日本に行くと皆さん、着ている服が素敵だと思います。西海岸はTシャツにジーンズの文化ですからスーツ着ている人はむしろ異様な感じがすらしますが、お気楽すぎでしょうね。一方、昨日、顧客になった方は豪華なプレジャーボートにご夫婦の車がリビアンとマスタングEモデル。ほう、と思います。正直マスタングEモデルは乗ってみたいです。でもGTR、かわいいんですよねぇ、と言っているうちに結局買わなくなるのです。
お金は使うためだけ稼ぐのか、余生の保険を買っているのか、見栄を貫くためなのか、はたまた子供や孫に相続して餅まきをしたいのか、せいぜいこの程度の選択肢です。ならば、必要以上の保険はいらないし、見栄もいらない、子供に金は配らないと決めてしまえば肩の荷が下りるんじゃないでしょうか。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年7月16日の記事より転載させていただきました。
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