1. 情報を鵜呑みにする

    次は情報を鵜呑みにするタイプだ。このタイプもSNSは薬より毒になる可能性が高い。「自分は大丈夫」というタイプでも、信用のおける人物の言う話なら無批判でありのまま受け入れ、自分の思考を介さないで意思決定をしてしまうなら、それは要注意である。

    まずどれだけ影響力があっても、専門知識が豊富でも、経歴が長くても世の中に間違わない人間はただ一人も存在しない。ある時は正しい回答を出せても、条件が違えば間違えてしまうことだってある。優れた医師でも見逃す可能性はゼロではないのだ。だから自分にとって好ましい話を聞いたとしてもそのまま鵜呑みにしてはいけないのだ。もちろん、筆者もそれは同じだ。

    自分自身がやっていることは必ず反対意見を探してみることである。「このサプリがいいらしい」と言われてすぐに買ってしまったり、サプリを肯定するアフィリエイトリンクがベタベタ貼られた「作られた口コミ」を信用して背中を押されてしまうのではなく、逆に良くない意見も集めて総合的に判断する。もしくはそうした意見を一切みず、リスクを取って自分の判断力を鍛える経験にしてもいい。

    とにかく自分にとって都合の良い情報を偏重的に集めるような使い方をしても、知らない内に買わされる方向へ誘引されるだけの情報収集でしかなくたいていリスクを回避したいという意図とは逆の結果が待っている。

  2. ネガティブに影響されやすい

    最後にネガティブなニュースや話題に影響されやすすぎる人である。

    SNSでは悲観的で胸糞悪いニュースが積極的に拡散される。その様子を見ていると、人々は皆怒りに打ち震えていたり、涙を流したり、時にはケンカをはじめてしまったりする。「悲しくて昨日は眠れなかった」といったコメントが見られることがある。

    正直言ってネガティブなニュースはできるだけ入れないほうがいいと思っている。カタルシス、ペシミスティックな思想に浸りたい感性の持ち主なら止めはしないが、一般論でいえばネガティブなニュースを聞いたところで心が萎えたり意欲が衰えたり怒りを感じたりとあまりメリットはない。

    筆者は数あるニュースの中でも子供が悲劇的な目に遭う話題は受け入れがたい苦痛を覚えるので、絶対に見ないように気をつけている。だが、それでもフィルタリング機能が思うように働かず偶然目にしてしまうことはあるので困ってしまう。ネガティブニュースで気持ちがすぐ暗黒に染まる気質でノーフィルタリング状態でSNSを使用している人は、もしかしたらSNSは情報収集のツールと言うより前向きな意欲を吸い取られるツールとして機能している可能性を疑ってもいいかもしれない。

    以上3つの特徴である。SNSを積極使用して一切の悪影響を受けないのはかなり難しいと思っている。情報収集ツールとして優れている一方で、デメリットも少なからずある。冷静にメリット、デメリットを天秤にかけて後者の存在を大きく感じたら、思い切ってアンインストールしてみると閉塞感を感じていた世界に新鮮な酸素が戻ってくる感覚になるかもしれない。

     

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