というと、

「コロナ陽性になったら軽症でもすぐに入院させてくれ!」

「治ったからって帰ってこられたら困る!きちんと隔離しておいてくれ」

という要望が強いからです。

これは特に高齢者施設などでは顕著です。

高山先生はこう言っておられます。

2類相当だった時は「感染性があるなら隔離する。病院を使う」が基本的な考えでした。でも、5類になるってことは、「隔離施設として病院を使うのはやめましょう」宣言だったはずなんです。しかし、いまだに病院を隔離施設だと考えている人は少なくありません。

同感です。

うちのクリニックと連携している介護施設「いろ葉」は何回もコロナのクラスター経験しましたが、全例施設内でゾーニングしながら診てましたもんね。もちろん僕(医師)と一緒に。

ご高齢の方の命や生活を守るには、本当は環境の変わってしまう「病院」ではなく、自宅や施設などで生活を継続するほうがいいのですから。

とはいえ、一般的な高齢者施設の立場で言えば、

「今までコロナは怖いんだから隔離を!感染対策を!って言ってたのに、いきなり施設でみろって言われても困る!」

というところが本音でしょう。

ちなみに、毎年流行していたインフルエンザは、週に200万人以上、年間では1〜2千万人の患者が発生していました。今騒いでいるコロナ第9波の10〜20倍の患者数です。

でも医療崩壊なんて起きませんでした。

それは当時、「高齢者施設でコロナ→全員隔離入院」のようなことは誰も考えず、軽症インフルなら施設内で個室対応!そんな感じで診ていたからなんですよね。

そういう意味では、本当は高山先生の言われるように、医師や行政こそが率先して

「隔離施設として病院を使うのはやめましょう」

「コロナはこれまでのインフルと同じ対応にしましょう」

と宣言し、社会を正常化させるべきだと思います。

「いろ葉」が施設内でクラスターをみられたのは、僕が医師として「それで大丈夫!」と太鼓判を押してあげていたから、というのも大きくあるでしょう。

世界はもう、

幽霊の 正体見たり 枯れ尾花

なのに、日本はまだ

いやいや、枯れ尾花もよく見ると怖いから、病院に入院!

という状態なんでしょう。

一度味わってしまった恐怖はなかなか抜けませんから。

街中でもだいぶマスク姿が減ってきた印象ですが、まだまだマスク着用率は高いですし。

世界がとっくにコロナ禍から脱し、マスクなんて誰も付けていないのに、日本人だけまだマスクから抜け出せないこの情けない事態、そしてその恐怖ゆえに「医療崩壊」が発生してしまう…。

そう考えると、実は恐怖を煽ってきた医師・医療行政にこそ、その責任があるように思えてきますね。

ま、今まで散々国民の不安を煽ってきた医療界・行政が、今になって自らの首を締めていることに気づいても遅いのですが…(あ、行政はつらいかもだけど、病院としては患者さんが増えたら儲かるので嬉しいのか…)。

以上、「コロナ禍3年。今感染症の危機を叫ぶことは正しいことなのか?」でした。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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