最近では学生のうちからクレジットカードを使っている人も多い。だが、学生から社会人になるとき、カード会社に登録してある情報はどうすればいいのか? 変更した方がいいのか、しないとどうなるのか、ここで説明しよう。

目次
1,学生から社会人になるときにクレジットカードの登録情報を変更する理由
2,学生から社会人になるときにクレジットカードの登録情報を変更するメリット
3,クレジットカードの登録情報を変更する方法
4,クレジットカード自体を解約・変更すべきケースとは?
5,クレジットカードの登録情報に関する4つのQ&A

1,学生から社会人になるときにクレジットカードの登録情報を変更する理由

学生から社会人になったとき、クレジットカードの発行会社に登録してある個人情報は変更しなければならない。しかし、カードの支払いさえきちんと行っていれば、登録情報の変更の必要はないと考える人もいるだろう。

そこでまず、クレジットカードの登録情報を変更しなければならない理由から説明しよう。

理由1,利用規約違反となりカードを利用停止されるおそれがある

カードを作るときには名前や住所のほか、学校名(会社員は会社名)も記入する。このときに虚偽があってはならない。記入内容に虚偽があることが後で分かった場合、利用規約違反としてカードの利用停止や強制解約の可能性もある。

それと同じ理由で、カードを作った後に学生から会社員になったり、職場を変えたりした場合、あるいは収入に大きな変化があったり、住所に変更があったりした場合には、それに応じて登録情報を変更しなければならない。

登録情報を変更する必要があるにもかかわらず、そうしなかったことが明らかになった場合、カード会社から「信用できない人」と判断され、利用規約違反としてカードを利用停止される可能性がある。ただし、この場合、変更を忘れただけと解釈もできるため、いきなりカード契約が強制解約されるようなことはないだろう。

理由2,うっかり延滞してしまう可能性がある

会社員になるとき、給与振込用の銀行を会社から指定されることもある。その場合、それまで使っていた銀行口座を解約したり休眠状態にしたりして、給与振込用口座のある銀行をメインバンクにする人もいるだろう。そうしたケースで注意した方がいいのは、カード利用代金の支払口座の変更をしないまま、それまでの銀行口座を解約してしまったり、休眠状態にして入金が途絶えてしまったりすることだ。

その場合、カード利用代金の引き落としができず、うっかり延滞してしまう可能性がある。延滞が続くとカード会社からの信用を損ねるだけでなく、その情報は信用情報機関にも記録されるので、カードの利用停止や強制解約のほか、新たなカードの審査でも不利となる。

また、学生から会社員になるときに引っ越しする人もいるだろう。このときにカード会社の登録情報上で住所変更をしないと、延滞した場合に連絡がつかず、延滞期間が延びてしまうことも考えられる。

理由3,収入に見合った利用限度枠に設定されない

カードの利用限度枠は、収入・返済能力に見合った額が設定されている。学生の場合、世帯年収や家族の信用情報に応じて決定されることになるが、就職後は自身の収入に応じた利用限度枠となるため、登録情報の収入などの項目についてもおおよその目安を記入しなければならない。

就職後の収入が少ない場合、登録情報の変更を行うことで利用限度枠が減額されるケースもあるだろう。これはデメリットのように思えるかもしれないが、収入に見合った以上の利用限度枠が設定されてしまうと、返済能力を超えて使いすぎるなどの問題も生じかねない。適切なクレジットカードの利用には、適切な利用限度枠の設定が必要だ。

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2,学生から社会人になるときにクレジットカードの登録情報を変更するメリット

上記のような理由から、学生から社会人になったときにはクレジットカードの登録情報を変更すべきだが、変更をすることで、利用者が受けられるメリットもある。

メリット1,カードの切り替えが可能となる

学生専用カード、あるいは学生でも作れるカードを利用している場合、社会人になったときに登録情報の変更を行うことで、収入があることが申し込み条件になっているカードへの切り替えが可能となる。

その切り替えにより年会費が上がるケースもあるが、その分、切り替え後のカードは社会人にとってメリットの多いスペックになっていることも多い。

メリット2,上位カードを狙えるようになる

登録情報が「学生」のままでは、安定した収入がないといっているようなもの。そこからゴールドカードなどの上位カードへステップアップすることは通常できない。上位カードの審査に通りたければ、まずは社会人になった段階で登録情報をそれに応じて変更し、カードの利用実績を積むことだ。

メリット3,利用限度枠が増額されることもある

先の「理由3」の逆パターンとなるが、就職先が上場企業などの場合、登録情報の変更により利用限度枠が引き上げられることもある。また、それまでキャッシング枠が設定されていなかった場合、新たにキャッシング枠が設定されることもある。

仮に、入社直後は利用限度枠が引き下げられたとしても、収入増やカード利用実績に応じて利用限度枠は引き上げられる。いずれにせよ、いつまでも「学生」設定のままにしておかない方がいいだろう。

3,クレジットカードの登録情報を変更する方法

登録情報の変更は面倒な印象もあるが、ネットからなら通常2~3分で終わる。社会人になったときだけでなく、登録情報に関係する変化があったときにはその都度対処した方がいいだろう。

どのようにクレジットカードの登録情報を変更すればよいかを紹介していこう。

ネットサービスからの登録情報変更方法

・ステップ1,ネットサービスへのログイン

各カード会社にはネット上で利用明細を確認したり、登録情報を変更できたりできるネットサービスがある。三井住友カードなら「Vpass」が、JCBなら「MyJCB」が、楽天カードなら「楽天e-NAVI」が、オリコカードなら「eオリコサービス」がそれにあたる。

登録情報を変更するにはまず、そのネットサービスにログインしなければならない。なお、カードを作ってから一度も使ったことがないなら、ネットサービスへの登録(ログインIDやパスワードの設定)から始めることになる。

・ステップ2,登録情報の変更箇所を探して変更する

「登録情報の変更」などのメニューを探してそのページへ移動し、そこで学校名を消して、代わりに勤め先の名前や勤続年数など必要な項目を記入する。年収欄については、月収の額面を12倍にした上で、想定されるボーナス額もそこに加えた金額を記入すればよい。

より正確な年収に関しては、入社から1年がたち実際の年収がはっきりした段階で再度、その金額を記入する。

・ステップ3,ネットサービスからのログアウト

必要な変更を行ったら「変更内容の登録」などのボタンをクリックして、変更がきちんと反映されたことを確認。その後、ネットサービスからログアウトする。そのまま放置しておいても自動的にログアウトされることが多いが、念のため自分自身の操作でログアウトした方がいい。特に共用のパソコンを使っているような場合は注意したい。

問い合わせ窓口からの登録情報変更方法

ネットサービスのパスワード忘れなどでログインできない場合、カードを手元に用意した上でカード裏面にある問い合わせ窓口に電話して登録情報が変更できる。

問い合わせ窓口には電話がつながりにくいことも多く、会員資格の確認のためのオペレーターとのやり取りにも多少の時間がかかる。ネットサービスからの手続きに比べて手間のかかる印象もあるが、その場でオペレーターに不明点などを聞きながら登録情報の変更ができるメリットもある。

なお、ネットサービスのパスワード忘れなどがある場合、問い合わせ窓口でパスワードリセットなどの手続きができることもあるのでついでに聞いてみよう。

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4,クレジットカード自体を解約・変更すべきケースとは?

学生から社会人になったとき、カード会社の登録情報変更ではなく、カードそのものを解約したり、ほかのカードに切り替えたりしなければならないケースもある

ケース1,学生専用カードを使っている場合

学生専用カードはその名の通り学生しか持てないカードなので、社会人になった段階で解約するか、ほかのカードに切り替えなければならない。カード会社によっては自動的に切り替わることもあり、例えば、三井住友カードでは申し込み時に記入した卒業予定年を迎えると、学生専用カードから社会人向けカードへ自動的に切り替わる。

ケース2,年会費がかかるようになってしまう場合

年会費無料の学生専用カードから社会人向けカードに切り替わった場合、それまで無料だった年会費が有料になることがある。例えば、「三井住友カード」の学生カードは年会費無料だが、社会人カードに切り替わると年会費1,375円(税込)となる。

「三井住友カード」には年会費割引制度があり、所定の条件を満たすことで年会費が無料となる。しかし他社には無条件で年会費無料になるカードもあるので、これまでのカードを解約してほかに乗り換える選択肢も出てくる。

ケース3,カードの特典・サービス内容が悪くなる場合

同じカード会社から発行されている同じランクのカードでも、学生専用カードと社会人向けカードでは、特典・サービスが異なることがある。例えば、「ライフカード」の学生カードは卒業後も引き続きカードを使えるものの、学生カード独自のサービスとなる海外利用分5%キャッシュバックや海外旅行傷害保険の自動付帯などは適用されなくなる。

このような場合、卒業後のカードの特典・サービス内容をよく検討した上で、改めて自分が持つべきカードを検討してみるといいだろう。

5,クレジットカードの登録情報に関する4つのQ&A

最後にクレジットカードの登録情報に関する4つの疑問とその回答を紹介しておこう。

Q1,情報変更の際に年収を証明する書類などは必要か?

A1,そもそもクレジットカードを作るときには基本的に年収を証明する書類などの提出は不要だ。ただし、貸金業法の総量規制の決まりから、50万円以上のキャッシング枠を希望する場合は年収証明書類の提出が必要となる。社会人になりたてで50万円ものキャッシング枠が設定されることは考えにくく、年収証明書類のことを心配する必要は少ないだろう。

Q2,引っ越しをしたときは登録情報の変更は必要なのか?

A2,入社後、本社研修や本社勤務から地方勤務となるケースがある。その場合、社会人になったときに登録情報を変更していたとしても、それとは別に住所の項目をやはり変更しなければならない。

紙の明細書を発行せずネットで確認している場合、住所変更をうっかり忘れてしまいそうだが、きちんと変更しておかないと延滞などが生じたときにカード会社からの連絡が届かなかったり、更新時に新しいカードが届かなかったりして、そのまま利用停止になることもある。

Q3,学生専用カードをそのまま使っていたら、どうなる?

A3,学生でなくなったのに学生専用カードを使っていたり、学生だけに適用される特典の恩恵を受けていたりした場合、利用規約違反としてカードの利用停止となる可能性がある。さらに、意図的にそうしていたと見なされたケースでは強制解約の可能性もあり、その場合、同じカード会社では2度とカードは作れなくなる。

Q4,学生から社会人に登録情報を変更すると会社に在籍確認はいく?

A4,クレジットカードを申し込むと通常、会社へ在籍確認の連絡が入る。ただし、学生から社会人へと登録情報を変更しただけなら、それまでのカード利用の実績があるため、在籍確認が入ることは少ないといわれている。

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モリソウイチロウ
執筆・モリソウイチロウ
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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