ゾウアザラシの大きな鼻
ゾウアザラシの大きな鼻。
ただの飾りではなく2つの役割があるそうです。
大きな鼻に活用方法はあるの?
1つ目の役割として、特に繁殖期において非常に大きな音を発生するのに用いられるそうです。
すでに前述の通り繁殖期は絶対に喧嘩に勝たなくてはならないため、大きな音を出すことで相手を怯ませる他、自分の力を誇示するのにも使われていると考えられています。
2つ目の役割として、呼吸によって出ていく水分を最小限にするためです。
ゾウアザラシのメスは繁殖の時期になると飲まず食わずで何か月も過ごします。
その際に重要になるのが、皮下脂肪と体内に蓄えた水分です。
脂肪は見た目通り全身に蓄えられているのが分かりますが、水分はどこで蓄えられるのでしょう。
その秘密が鼻にあるとされています。
ゾウアザラシが吸った空気は粘膜の蓄えられた鼻の通路を通ることで暖められてることで湿気を含みます。
反対に息を吐く際、暖かく湿気を含んだ空気が、鼻の表層近くを通ることで冷やされて液体、つまり水に変化し、鼻の中に残るようになっています。
この変わった構造によって、体から出ていく水分を最小限に抑えているのです。
ゾウアザラシの優れた潜水能力
キタゾウアザラシは喧嘩が強いだけではなく、長時間潜水できることでも知られています。
そして、多くの個体が深海に潜り餌を捕っていることがわかっています。
通常は300mから800m程度潜水して餌を捕獲しますが、1,500mまで潜水することも可能とされています。
これはキタゾウアザラシだけの特徴ではなく、ミナミゾウアザラシも深海で餌を捕ることがあります
より巨体なミナミゾウアザラシの中には、深さ1,700mまで潜水することが可能な個体もいる他、最長120分もの間潜水したという記録もあります。
鈍重のように見えますが、非常の潜水能力が高い生き物だったのです。