1-6月の企業倒産件数が4042件と上半期だけを見れば20年ぶりの高水準となったと各紙が報じています。いわゆるコロナの補助金がなくなり通常状態に戻った時、顧客が思った通り戻らなかった、従業員が確保できなかった、物価水準が大きく変わり経営が困難になった…といった具合のほぼ想定通りの理由が並びます。

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本ブログでは2022年4月19日付で「構造改革を伴わない延命措置であれば各種政府支援が切れ、正常化に向かう今年から来年にかけて倒産件数はぐっと増えると予想できます」と述べています。

中小企業の経営は比較的低位安定の場合も多く、従業員も少ないし、家族経営であったりするのですが、その場合、コストの管理は出来ますが、売り上げの変化は外的要因になりますのでコロナの時やポストコロナの時のように人々の行動規範が大きく通常状態と異なる場合、もろに影響を受けることになり、それを吸収できないケースが倒産の主因となります。

もう一つは「真綿で首を絞める」という言葉がぴったりくるのですが、残酷な言い方をすれば真綿で絞めた首がコロナの3年間だけ救命された、ところがリハビリ期間終了でゼロゼロ融資の元本は返してね、と言われて「そんなの忘れていた」という具合なのでしょう。

個人的には23年度の倒産は8500-9000件程度、24年度は1万件を超えてくるかもしれないと予想しています。この数年間で大きな変化が出ると思います。例えばビルに入っているテナントの倒産です。繁華街の飲食店ビルで上層階にある店は昭和のおじさん方がサポートし続けてきた「俺だけの憩いの場」ですが、年齢と共にもう無理となる頃でしょう。当然経営者も賃料が払えないということになります。