たとえば、9期88年の第4部を見てみると、立候補者は42名、このうち日科系の立候補者は42名。日科系(新左翼も含む)の当選者は14名ということになるが、落選者のうち10名がノンポリで、日科系はわずか2名である。共産党のことだから投票者のわかった数の仕分けはお手のもので、この傾向は会議発足以来、変わらなかった。

約40%をすでに左翼系学者で固めた学術会議が日共に牛耳られるのは、むしろ当然だと言える。だんだん左傾化することがわかって、これにブレーキをかけようとしたのが政府の方針だが、すでにブレーキは何回もかけた。会議側は最近になって「デュアル・ユース」(軍民共用)などと言い出しているが、また騙されるな。

屋山 太郎(ややま たろう) 1932(昭和7)年、福岡県生まれ。東北大学文学部仏文科卒業。時事通信社に入社後、政治部記者、解説委員兼編集委員などを歴任。1981年より第二次臨時行政調査会(土光臨調)に参画し、国鉄の分割・民営化を推進した。1987年に退社し、現在政治評論家。著書に『安倍外交で日本は強くなる』など多数。

編集部より:この記事は一般社団法人 日本戦略研究フォーラム 2023年7月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は 日本戦略研究フォーラム公式サイトをご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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