以前ある人から「北尾さんはリーダーとして人の上に立つ中で、どういうところに妙味を実感されますか?」というように尋ねられました。
世の中には「リーダーの醍醐味は、全メンバーの人生の宝となる、理想のチームを創れること」とか、「リーダーシップによって、部下の心に火をつける。これこそが、リーダーの醍醐味」といった表現をされる人もいるようですが、先ず大前提としてプロジェクト個々の是非は問われねばなりません。最も大事なことは、大きな志を抱き全身全霊を傾ける対象が世のため人のためになるということであります。
その時そのプロジェクトを如何にして成し遂げるか――ヘンリー・フォードが「人が集まることが始まりであり、人が一緒にいることで進歩があり、人が一緒に働くことで成功をもたらしてくれる」と言われていますが、第一に人を集めることです。事業は一人では大したことは出来ないでしょう。目的遂行に当たっては、どれだけ最善の陣を敷けるか、言い換えれば最良のパートナーであり協力者を得られるか、が成否を左右します。