精神面での要素が今回の捜索で重要であったという。「夜になるとトラが吠えのを聞くことで、我々の捜索で警戒心を保つことができた。また我々の多くが子供たちの方に導いてくれてる夢を見た」と語ったのは先住民族警備隊のルイス・アコスタ隊長だった。

また捜索メンバーの間では野生の植物でヤゲとかアヤウアスカと呼ばれている幻覚症状を誘うものを口にしていたそうだ。先住民族の呪術医によると、それは精神的に直観力を高めるようになるというのだ。

それはレスキュー部隊の軍人の間でも役にたったのである。先住民グループの一人エンリー・ゲレロ氏がそれを次のように語っている。「軍人たちはコロンビアのアマゾン地帯の中で動き回ることには経験がない。我々が彼らに密林の中で生存して行く為の方法を教えた。しかし、25日間探し続けたが結果が出ず我々の間でも士気が喪失していた。人的努力だけでは子供たち見つけることは不可能だと感じるようになっていたのである。そこで我々は精神的な支えになるものを求めたのであった。それで我々はヤゲを口にするようにしたのであった」

精霊尊重の儀式の翌日に子供たちを見つけた

6月8日になって事態に大きな進展がみらるようになった。ヤぺス氏が言うに、行方不明となっている子供たちが属しているムルイ族のグループが当日歌いそしてヤゲを消費しながらある儀式を行ったのである。それは精神的な方向付けを授けてもらう為であった。その儀式ではメンバーの誰かがアナコンダに化けたり、トラになったり、大きな鳥になったりしたのである。

あの夜、ムルイ族のメンバーが動物に化けて、どの動物が当てたのかわからないが、(飛行機の墜落)事故が起きた方向にまた戻って行くように暗示された、というのであった。正に、そこに子供たちがいたのであった。

そこは事故があったところから非常に近い距離であった。そこに子供たちがいたのである。当初、子供たちは食料などを求めて歩き回った。レスキュー部隊が最初に墜落した飛行機の現場に行ってその周辺を探しまわった時には子供たちは誰もいなかった。ところが、精根尽きた子供たちはもう移動する力もなくなって出発点近くまで戻って行ったのである。正に、その時にレスキュー部隊がムルイ族の精神的なひらめきを頼りに事故があった方向に逆戻りしたというわけである。そこでついに子供たちを発見したのであった。

レスキュー部隊に加わった軍人たちも先住民族に対して認識を新たにすることになったそうだ。というのも、これまで先住民族のことがメディア取り上げられるのは森林開発に反対して抗議をして治安部隊と衝突している場面だったりするだけであった。だから軍人たちの間でも先住民族に対してよい印象を持っていなかったという。ところが、今回40日間も一緒に行動している間に彼らの自然を尊重する生き方に軍人たちは強い共感を感じるようになったのである。(以上6月22日付「ディアリオ・エス」から引用)。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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