役所の小さな頭で考えていないで、広く区民にアンケート調査でもして不断に充実を図るべきだ。それよりも、本当はまったく手付かずの行財政改革を断行しなければならないはずだ。
議会から見ると、かくて世田谷区が本気でふるさと納税対策に取り組む気配があるとは思えない。それもそのはず。実は保坂区長が言うほど区税流出は“痛くない”のである。
というのも、流出額の85%は都区財政調整制度によって、東京都から補填されている。80億やら90億やらが毎年、世田谷区の財政を直撃しているならば、現在進行中の400億円にも上る、庁舎の建て替えなんて出来るわけないのである。また、ふるさと納税の控除額が区税に占める割合を見ても、世田谷区が突出しているわけではない。
世田谷区の #ふるさと納税 流出のニュースを受けて、23区での流出額をグラフ化してみた(2022年度
"額"で見ると世田谷が突出してますが、区民税に占める"割合"で見るとトップはなんと中央区
制度見直しを訴えていくのはもちろんですが、当面の対策も真剣に考えていく必要ありますね pic.twitter.com/7uDkRVM29a
— ほづみゆうき@データ分析に基づき、子どもにも大人にもやさしい中央区を作ります (@ninofku) July 2, 2023
つまりは、この問題が保坂区長の「政府はけしからん」「自治体は何もできない」と自分が目立つためのネタにされているだけで、まったくもって建設的な議論に進展しないのが極めて残念なのだ。
都からだけでなく、挙句の果てに「世田谷区は不交付団体だから、国が補填せよ」などと言う前に、自立した自治体経営を真剣にやってみたらどうなのか。区政のトップに必要なのは、評論家でなく実務家である。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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