保坂展人世田谷区長 NHKより

100億円突破は、時間の問題――。2023年のふるさと納税による世田谷区税の流出額が97億円に上ることがわかり、衝撃が走っているというのだが、いい加減、茶番はやめてもらいたい。

マイナンバーカード問題と同じく、毎年恒例の保坂区長の政府批判のネタの1つなのだが、こちらは毎年流出額が増加しているので、区長にとっては何度でも使えて、重宝している感じさえ窺える。

ふるさと納税による区税の流出については、当然、私以外にも「早急に返礼品を充実させるべきだ」などと議会から危惧する声は、かなり以前から上がっていた。しかし、保坂区長は制度を批判するだけで、何ら具体策を講じるわけではなく、「問題提起するため、返礼品競争には与しない」と同じ答弁を繰り返しているだけだった。

こうして孤高を気取っている間に、総額400億円近くの流出が決定的となり、区長も昨年末から新たに返礼品を100品目揃えるなど、ようやくその重い腰を上げた。

その結果、2022年に比べて今年は2倍となる4億円の寄付金が集まる見通しなのだが、焼け石に水状態。何しろ、区長の方針転換が遅いばかりか、返礼品についてもたしかに以前よりはマシにはなったが、内容を本当に精査したのかわからないラインナップである。