キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です
キャンピングカーや車中泊仕様車は、軽自動車ベースでも高い。
そう思っているあなたにニュース!
誰もが知っている中古車の買い取り・販売を行っている「ガリバー」が、軽バン・軽ワゴンを簡単に車中泊仕様にできるキット『VAN DE Boom(バンデブー)』を発売しました!
特別な工具も必要なく、プラモデルのように組み立てていくだけで完成してしまいます。
DIYなど全くやってこなかったという方でも「これならできるかも!」と思うはず。
キット価格は約11万~40万円。
※具体的な金額は本記事のいちばん下の項目をご確認ください。
中古の軽バン・軽ワゴンとバンデブーを併せて購入しても、総額100万円程度で収めることができる価格設定です。
※車種、年式、走行距離によって車両価格に幅があります。
早速、バンデブーを先行販売しているガリバーワオタウン幕張に行って、一体どんなものか、くわしくお話を聞いてきました。
VAN DE Boom(バンデブー)って?
お話を伺ったのはバンデブーの発案者である株式会社IDOM(ガリバーの運営会社)の伊藤さん。
バンデブーは自分で組んで普通の軽自動車のバンやワゴン(軽バン・軽ワゴン)に載せるだけで車中泊デビューできる家具のキット。
本物の木材を使った「プラモデルキット」と、パイプと板を組み合わせる「パイプキット」の2種類があります。
車中泊人気が高まる中、中古の軽バンや軽ワゴンの車両代込みでもバンデブーのキットと合わせて「100万円以内で気軽に車中泊を始められる」をコンセプトに商品開発されました。
車に穴を開けると構造変更の届けが必要になる場合がありますが、「企画当初から穴あけなどはなしで、載せるだけですぐに車中泊が手軽に始められることを目指しました」(ガリバーの伊藤さん、以下、伊藤さん)
使う工具はそれぞれ2つ。
後ほどくわしく解説しますが、「プラモデルキット」の組み立てに必要な工具は100均ショップでも買えるペラペラの金のこぎりとヤスリだけ。
100均ショップでも買える簡易なものでOK。
組み立て、取り外しの際は、工具はまったく使いません!
「パイプキット」で使うのは付属の六角レンチ1本と接着剤だけです。
簡単なDIYならやってみたいという人はもちろん、DIYをやったことがないし工具も持っていないという人にも取っつきやすいキットだと思います。
それではバンデブーの「プラモデルキット」と「パイプキット」、それぞれについてくわしく紹介していきましょう。
まさにプラモデルなプラモデルキット
まずは「プラモデルキット」から解説していきます。
「プラモデルキット」は今のところ、スズキ エブリイのDA64W**という型式にのみ対応**。
今後適合車種の拡大を検討・予定しています。
2名乗車、3名乗車、4名乗車とレイアウト変更できる
↑上の写真がバンデブーのプラモデルキットをスズキの軽バン・エブリイに取り付けた完成形の状態。
セカンドシートを前側に折り畳んで、運転席と助手席のすぐ後ろまでフルフラットになっているのがわかります。
小さなぼんぼりのよう照明は付属しませんが、奥に写っているフタつきの収納ボックスと最後部に橋渡ししているテーブル板はキットに含まれます。
セカンドシートの上の板(フロアボード)とボックスを外すことで、
3名乗車にしたり(セカンドシートは左右どちらも残せます)、
4名乗車にしたりすることも。
4人乗車のときは、セカンドシートの上にあったフロア材を間仕切りのように立てかけて、フロア材の土台となっていた小型ボックス2つと付属のフタ付きボックスを荷台に置けば、プラモデルキットのすべてが車内に収まるようになっています。
フロアボードを支えるポックス、付属のフタ付きボックスは、車外に持ち出せばちょっとしたアウトドアチェアやテーブルとしても使用可能。
人が寝ころぶフロアボードの支えになっているくらいですから、座っても大丈夫な強度があります。
車両後部のキャビネット(家具)はなしで、シンプルなフルフラット状態にすることも。
好みや用途に合わせて2名乗車、3名乗車、4名乗車と選べて、さまざまなレイアウトパターンがあるのもバンデブーの魅力です。
収納スペースに技あり
限られた軽自動車の室内での車中泊は、荷物の置き場に困りがち。
収納がないと、くつろいだり寝たりするスペースがどんどん狭くなります。
バンデブーのプラモデルキットは、↑上の写真のように後ろ半分が床下収納スペース。
寝袋やちょっとした小物なら、けっこうここに収納できます。
↑上の写真中央の間仕切り板の凹んでいる部分は、下まで切り落としても強度的に問題なし。
切って底を平らにすればある程度長いものを積むこともできるようです。
間仕切り板に所々丸い穴が開いているのが見えますが、これは電気コードの配線用。
一例ですが、薄い小型のポータブルバッテリーを床下に置いて、スマホの充電コードを通すことができます。
「ユーザーの方それぞれが、アイデアと工夫次第で使い方をアレンジできる余地をあえて残しました」(伊藤さん)
進行方向右側のキャビネット(家具)には扉が付いています。
「この奥に、ベース車のエブリイに元々付いている小物入れポケットがあります。キャビネットを置いてもそのポケットが使えるように扉を設けました」(伊藤さん)
細部の使い勝手まで考えて設計されていますね。
これらのほか収納スペースは、左側キャビネットの下部と天井近くにも設けられています。
キャンピングカービルダーの工場で製造
バンデブーのプラモデルキットは車体には穴を一つも開けないで、組み立てて載せるだけです。
見ているだけのときは正直「木材だけだと弱いんじゃないの」と思っていましたが、実際にフロアに座わらせてもらったところ、思いのほかしっかりがっしりした印象。
また、走っていてミシミシガタガタ音がしないのですかと尋ねたところ、
「まったくないとは言えません。でも、先日イベントで展示するために福島県まで自走したときも、車内で普通に会話できていました。どうしても気になる場合は、ボディの内側がバンデブーの木材パーツとこすれる箇所に、フエルトを挟むことをおすすめします」(伊藤さん)
実は、プラモデルキットの製造はキャンピングカービルダーの株式会社Dream Drive(東京都狛江市)が担当。
Dream Driveは国内の自社工場でトヨタのハイエースベースのキャンピングカーを作っています。
特に木材の加工にはこだわりを持つキャンピングカービルダーで、「バンデブーの製造を依頼できるところをあちこち探して、ぜひDream Driveさんにということで決めました」(伊藤さん)
なるほど、餅は餅屋。
キャンピングカーをよく知っているビルダーが作っているから、しっかりしているのだろうと納得した次第です。
組み立て方はまるでプラモデル
「プラモデルキット」は↑上の写真のように梱包された状態で届きます。
ビニールを外すと↑この状態。まさにプラモデルみたいですね。
組み立ては、まず各パーツを金ノコで切っていくところから始めます。
金ノコは100均でも売っている薄いもので十分。取材時に試しに切ってみました。
サクサク、スパッというかんじでほとんど力を入れなくてもすぐに切り離せます。
パーツは大小合わせて約110個。
切り離した箇所のバリを、サンドペーパー(紙ヤスリ)か金属製のヤスリで磨いて取っていきます。
あとはパーツ同士をはめ込んでいくだけ。接着剤やクギは一切使いません。
パーツ同士をつなぐ留め具も木製。
取扱説明書が付いてくるので、これを見ながら組み立てていけばDIYが得意じゃないという人も難なく完成させられるはずです。
また、バンデブー公式YouTubeには組み立て動画が載っているので参照するのもよいでしょう。
組み立てにかかる時間はというと、
「一概には言えませんが、最初にパーツを切り離して磨くのに約1日~2日はかかると思います。組み立て自体は目安として1時間くらいでしょうか。慣れれば20~30分で取り付けたり外したりできるようになります」(伊藤さん)
ホームセンターで何の加工もされていない木材を買ってきて、車内の形に合わせて寸法を測って、自分でバンデブーのプラモデルキットと同じようなパーツを作るとしたら、とても1日や2日では完成までたどり着けないと思います。
時短でDIYして車中泊仕様車を手に入れたいという人には、ちょうどいいキットかもしれません。