ポルシェの全世界における2022年の販売台数は約31万台、そのうちもっとも売れたのはカイエンの9万5000台で、マカンの8万6700台がそれに続きます。
世界的なSUVブームもあるにせよ、全体の約半数がマカンとカイエンという2台のSUVで占められるという状況は、それぞれが世界的に支持されている証拠です。
そんなマカンとカイエンの違いと特徴について解説します。
目次
ポルシェの屋台骨を支えるSUVモデル
数値よりも大きく見えるボディデザイン
ポルシェの屋台骨を支えるSUVモデル

2000年にBMWがミドルクラスSUVのX5を投入したことで、火が付いた北米のプレミアムSUV市場。
それまではジープ チェロキーやフォード ブロンコに代表されるラダーフレームにオフロード性能を備えたモデルが主流でしたが、トヨタ ハリアーに続いてBMWもX5を投入したことで、モノコックボディのSUVが注目されるようになりました。
2002年、そこにスポーツカーメーカーのポルシェが送り込んだモデルが、カイエンでした。
2002年にデビューしたカイエンは、VW トゥアレグとプラットフォームを共有する兄弟車ですが、ポルシェ独自のチューニングを施すことで、まったく異なるモデルに仕上がっていました。
当初は懐疑的な目も多かったカイエンですが、マニアの予想を裏切り大ヒット。ポルシェの経営を立て直した救世主的な存在です。
それと同時に、ハイパフォーマンスSUVというジャンルが確立され、数年後には他メーカーもこれに追随することになります。
マカンは、カイエンでの成功を受けコンパクトクラスの高級SUVとして、2014年にデビューしました。
いずれも、ひと目でポルシェと分かる特徴的なデザインに、オンロードでの優れた走りとオフロードでの高い走破性を備えたモデルです。
数値よりも大きく見えるボディデザイン

2002年にデビューしたポルシェ カイエンは現行型が3代目にあたります。
ボディサイズは、全長4,930mm×全幅1,983mm×全高1,698mm、ホイールベース2,895mm(ベースグレード)で、高さの違いを除けばトヨタ ランドクルーザー300とほぼ同じです。
それに対してマカンは、全長4,726mm×全幅1,922mm×全高1,621mm、ホイールベース2,807mmと、全長と全高は、現行のトヨタ ハリアーよりも小さくコンパクトにまとめられています。
見た目に大きく感じるのは、全幅が1,900mmを超えているためです。
この2台のデザインはよく似ており、バックミラーに映った姿はマカンの全幅が広いこともあって見分けがつきません。
911とボクスター/ケイマンも同様ですが、現在のポルシェは同じカテゴリーであれば、ボディの大小、車格に関係なく、共通のデザインを採用するというやり方で、これが2台の見分けをつきにくくしています。