そごう、西武のスト権検討問題
もしもこの問題がカナダで起きたならばとっくの昔からストに突入、オーナーは音を上げているでしょう。未だにストが大好きなカナダに対して日本は「顧客第一、なにはともあれご迷惑を避ける主義」です。今の時代、ストをすれば顧客には他に選択肢があるので「それじゃあ」と言うことになります。ではなぜ、それでもストライキ検討なのか、といえば従業員の職場環境の激変とリスキリングへの不安感がそうさせるのだと思います。過去の賃金等の問題とは本質的に違うのです。

西武池袋本店(左)とそごう横浜店(右) Wikipediaより
計画通り西武百貨店池袋店がフォートレスに買収されヨドバシカメラになったとすれば高級ブティックが入っていたところにヨドバシカメラの大衆的でにぎやかな店がやってくるでしょう。そうなれば洋服を売っていた従業員は家電製品を売ることになります。それ、できますか、と言う話です。自己啓発として少数の人向けの話ならよいのですが、これだけの規模となれば話は違います。
そもそも西武の旗艦店である池袋店は「池袋東口の万里の長城」で顧客から見ると不便です。目白駅側の西武百貨店別館には三省堂やら無印良品が入りますが、申し訳ないぐらい隅っこで「西武百貨店の路地裏」です。かつて池袋東武にニトリが入居していたのですがあのデパートも「西口の万里の長城」なので行きつくのが大変でした。同様に東武に入るユニクロはもっとアクセスが悪くデベロッパーの目から見れば池袋は西も東も全然ダメ。作り直しをすべきなのです。だけど新しい区長さんもそこら辺のグローバルな視点は理解していない気がします。ヨドバシが入居したらショッピングは新宿に切り替えるかもしれません。
後記 韓国とカナダの通商60周年記念行事に招待され、韓国の「伝統とモダンの舞」を拝見しました。招待客3000人、州首相をはじめ要人がずらり。日本人は数名だけだったと思います。演舞には正直、圧倒されました。一糸乱れぬ舞は素晴らしいの一言。それより驚いたのは韓国政府の大盤振る舞いで私の試算ではこれ一晩で数千万円は使ったでしょう。韓国はこのところ外交上手で攻めています。外交でも日本は韓国に学ばねばならない時代になったのでしょうか?
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年7月8日の記事より転載させていただきました。
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