マイナカード自主返納が増えているとのことですが、政府は紙の保険証は無くすと言っているのにどうするのでしょうか?紙をなくす理由は顔写真がないので使い廻しする人がいるからで究極的には税金の不正使用を食い止めるものです。報道を見ている限り、マイナカード問題と嫌な仕事を押し付けられた河野太郎氏を結び付けた怨嗟的な声に聞こえます。必要なのは批判ではなく、解決に向けた発想です。だけど火の粉を恐れているのか、首相も冷たいんですよね、本件には。

では今週のつぶやきをお送りします。

何かに怯えているように見える金融市場

この数か月、市場に参加していて明らかな変調を感じています。マネーが動かないのです。確かにアメリカでは更なる利上げが取り沙汰されていますが、個人的に見ると景気の旬はとっくに過ぎて影が見えてきています。本日発表のアメリカの6月度雇用統計は雇用者数が事前予想を下回る20.9万人で長期トレンドも下向き継続です。失業率は3.6%ですがアメリカと日本のそれを比較するにはざっくり1.0%のギャップです。日本の失業率が2.6%ですので労働のひっ迫感は日米ほぼ同じとみてよいでしょう。

そこまで失業率が下がると労働の質は相当劣ります。これは経済学では周知。つまり当面アメリカ企業の利益は良くならないと想定できます。その上あと2回も利上げしたらアメリカ経済へのダメージは深いと見ます。FRBはデータ主義ですが、データの奥底に見える部分、あるいは時代と共にその数字のもつ意味合いが変わってきていることに着目すれば本質的には利上げには踏み込みづらいはずなのですが。

もう一つは相対的なアメリカの地位の下落で最近ようやくそのような指摘をする専門家、研究者が増えてきた感じがします。その上でアメリカの指導力無き世界をどう描くか、です。何かのきっかけでドルの価値は下落トーンに転じるとみています。そこを金融の専門家たちは嗅ぎ取っている、そんな風に見えます。個人的には「ウクライナ問題後のリーダー無きバラバラになる世界」を想像しています。そんなに遠くない話だと思います。

メタの「スレッズ」は必要なサービスか?

SNSは既に成熟した産業であり、日本ではLINEが圧勝です。老若男女LINEさえあればまずは大丈夫という絶対不変のインフラとなりました。つまりフェイスブックやインスタは必要かと言えば用途が違うので邪魔ではないですが、社会的意義は薄まりOne of themでしかありません。私もカナダでは業務などでは電話番号ベースの通常のメッセージ機能でほぼ100%用途を満たすし、日本とはLINEのやり取りが主流です。つまりこの10数年の間に一気に広まったSNSはもうすでに十分浸透し、絞り込みも出来たわけです。

今回メタが「スレッズ」を発表しましたが、サービスはツィッターと基本は同じ。文字数などが多いなど違いはありますが、結局SNSの落としどころは友達や不特定多数の人がそれを見て参加しているかどうか、です。一人の人が発するメッセージは一度。それをどの媒体で行うかの違いだとすればパイの奪い合い、まさにレッドオーシャンです。メタがSNSを専門とする会社でツィッターの経営が今一つ安定しないことからシェアの略奪を狙ったものなのでしょう。

一定の層には受けるのかもしれません。が、一般大衆には食傷気味です。前項で述べたようにアメリカがへたってきている一つに企業から目新しいビジネスヒット作が少なくなったことも大きいでしょう。その上、カナダではオンラインニュース法なるものが成立、ニュースソースに対して対価を払うことが要求されるようになったため、グーグルとメタはカナダ国内ニュースを遮断しました。これはカナダにとって悪影響の方が大きいでしょう。情報のインフラ覇者争いとその価値の重みづけは試行錯誤が続くということですね。