パラグアイでもコカインの密売一家が存在している

ア・ウルトゥランサ・ピー作戦の捜査で明らかになったのは、麻薬の密売組織を仕切っていたのはインスフラン一家で、そのリーダーはミゲアンヘル・インスフラン氏。通称ティオ・リコ。弟はホセ・インフラン氏で牧師を務め教会にも頻繁に通っている人物だった。彼が建てた教会が絢爛豪華で話題になっていた。勿論、その建設費は麻薬の密売で儲けた資金から出たというのは明らかであった。

またこの弟を訪ねていた人達は同じく牧師と称してはいたが自らのジェット機で訪問していたということで宗教に関係した人物たちではないというのは一目瞭然であった。(同上「ラ・ナシオン」)。

この兄弟が逮捕された時にティオ・リコの料理を担当しているファティマ・レハラ氏が殺害された。理由は彼女が警察にこの兄弟二人の所在を通報したということらしい。レハラ氏が殺害された12日後には彼女を殺害したとされている暗殺者(暗殺者はシカリオと呼ばれている)のウイルソン・アダン・ペレイラ氏がペッチ検事の指令で逮捕されるという経緯もあった。(同上ラ・ナシオン)

ペッチ検事には敵が多すぎた

ペッチ検事は麻薬と資金洗浄の取り締まりに取り組んでいたこと以外にアマンバイ州知事の娘が殺害されたことの取り調べや音楽フェスティバルで襲撃事件の捜査も担当していた。また政治家の中には彼の捜査で汚職が判明し逮捕された者もいる。ということでペッチ検事の捜査を邪魔しようとする敵が多くいたということである。

にも拘わらず、これまで脅迫されたことがないということで隣国での新婚旅行で護衛の必要性を感じなかったようである。

文・白石 和幸

文・白石 和幸/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

【関連記事】
「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
大人の発達障害検査をしに行った時の話
反原発国はオーストリアに続け?
SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
強迫的に縁起をかついではいませんか?