殺害されるまでの検事の足取り

彼ら夫妻はコロンビアのカルタヘナ・デ・インディアからボートで45分のリゾート地バルーに5月4日から新婚旅行で滞在していた。

ペッチ検事が殺害されたのは5月10日午前10時半頃で、ジェットスキーに乗った2人が彼ら夫妻がいたビーチに近づき、そのひとりが下船して彼らに近づいて発砲したもの。夫人と宿泊していたデカメロンホテルの警備員は軽傷しただけであったが、ペッチ検事は顔と背中に2発の銃弾を受け即死。

パラグアイの警察庁は早速現地に5人のハイレベルの捜査官を派遣した。

また犯人の逮捕につながる情報を提供した人にはおよそ12万ドルに相当する懸賞金が与えられることになっている。(5月11日付「エル・パイス」から引用)。

コカインの密売と資金洗浄の摘発に取り組んでいた

5月10日付の現地紙「エル・エスペクタドール」が指摘しているように、同検事が殺害された要因は特に「ア・ウルトゥランサ・ピー(A Ultranza Py)」と呼ばれている麻薬組織の取り締まり作戦が関係していると見られている。(5月11日付け「EL ESPECTADOR」から引用)

ペッチ検事と彼のチームがこの麻薬組織の調査に乗り出したのは27カ月前のこと。コカインの密輸と資金洗浄の調査解明であった。ア・ウルトゥランサ・ピー作戦はこれまでパラグアイで最大規模の捜査に発展していた。100か所に警察が介入して1億ドルがこれまでに押収された。また、ベルギーのアントワープとオランダのロッテルダムでこの麻薬組織が密輸したとされているコカイン21トンが見つかっている。(5月10日付「インフォバエ」から引用)。

これまでの捜査で差し押さえたコロンビア産のコカインはこの2年間で2億5000万ドル相当するもので、それをパラグアイからヨーロッパに密輸しようとしたもの。(5月10日付「ラ・ナシオン」から引用)。