ブラックホールが存在する証拠は豊富にある
宇宙は「ビッグバン」ではじまっておらず、ブラックホールは存在しないというメルシーニ=ホートン氏の結論に誰もが同意しているわけではない。
ブリティッシュコロンビア大学の理論物理学者ウィリアム・ウンルー氏は、メルシーニ=ホートン氏の論文にいくつかの致命的な欠陥があると指摘している。
ウンルー氏によればメルシーニ=ホートン氏は「ホーキング放射」で出ていくエネルギーを過大に計算しているということだ。ブラックホールが形成されなくなるほどの放射が起こることはないということである。

またアリゾナ大学の天文学・物理学教授のディミトリオス・プサルティス氏や、オハイオ州立大学の天文学教授のトッド・トンプソン氏らはメルシーニ=ホートン氏の結論は起こり得そうにない計算に基づいており、宇宙には実際にブラックホール、またはブラックホールに非常によく似たものが存在する観測に基づく証拠は豊富にあると指摘している。
昨年には天の川銀河の中心にある巨大ブラックホールを撮影した写真が初めて発表されて話題になったことは記憶に新しいが、今後も観測によってブラックホールが特定されればその存在は否定しようがなくなるともいえる。
いずれにしてもまだまだ一筋縄ではいきそうもない案件だが、今後もブラックホールの謎に迫る研究がさらに深まることを期待したい。
(以前トカナではアインシュタインの重力理論を真っ向から否定するオランダ・アムステルダム大学のエリック・ヴァーリンデ教授の「エントロピック重力」理論を紹介した。ヴァーリンデ教授は重力を基礎的な力と見なさず、エントロピーによって創発された力だと考えている。)
参考:「Anomalien.com」「IFL Science」「Insider」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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