明石沖のマダコ釣りは、6月中旬からハイシーズンを迎えるのが通年でしたが、3年前から不漁が続き漁獲量が大きく減っていました。釣りも同様でしたが、今年は、昨年と比較すると少しは上向きなようです。今回は夏の釣りとしてハイシーズンを迎えるマダコ釣りの模様をお伝えします。
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(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・丸山明)
半夏生に備えて明石沖でマダコ釣り
半夏生とは、雑節のひとつ七十二候で言われる日で、夏至から数えて11日目とか、黄経100度の点を太陽が通過する日を指します。今年は7月2日です。
大雨が降り始める時期で、ここまでに田植えなどの農作業を終えてひと休みをする時期とも言われ、全国にさまざまな風習があります。そんな農繁期のひと休みの半夏生に、播磨や淡路地方では、マダコを食べる習慣が続いています。
タウリンが豊富な栄養満点のマダコ、疲労回復にもってこいかもしれません。盆までの期間、明石タコの一番おいしい時期でもあります。
流通ルートの少ない以前は、魚の行商人が明石市内の港で仕入れて、播磨地方の農村を回ったそうです。旬のおいしさを食べてひと休み、半夏生にマダコは切っても切れない関係です。
マダコの具合は上向きの様相か
悪いなりに釣況は保たれています。昨年は、半夏生のタコどころではなかったですが、今年はどうやら狙って狙える程度には釣れ始めました。
梅雨が大事で、川の水が増え、栄養分が海に流れます。プランクトンが増え、甲殻類がそれを食べ、エビカニが増えるとマダコは浅場に集まり活性が上がり始め、明石二見沖が絶好の釣り場となります。
雨降りは鬱ですが、降らなければならない時に降らないと、自然の生態系の食物連鎖での歯車が狂うことになり、不具合が生じます。
この釣行で釣ったマダコは、釣り上げると小さいカニの残骸をバラバラと出しました。これは甲殻類をたくさん食べている証拠。エサがそれなりにあるので、昨年より釣況が上々なようと思えます。
淡水を嫌うマダコですが、川の流水が無ければエサが増えないので、梅雨の雨量は大事な要素になります。このところ、乗合船の釣果も上向き傾向かもしれません。昨秋に生まれたマダコが、300g前後に成長し、さらに食欲旺盛になる時期で活性が上がり、これからハイシーズンを迎えます。
潮止まり前後が狙いめ
半夏生に食べるのを釣らなくてはという、強迫観念を抱えての釣りです。マダコは、冷凍保存ができて半夏生用には最適です。
潮流の強い明石沖、あの気球のような図体で速い潮の中を自由に泳げるはずはなく、就餌活動は必然的に潮が緩む時と見るのが、妥当性があります。
よって、時合いは潮の緩み始めから、流れが転じて速くなるまで、潮止まり前後が狙いが効率が良いと考えています。