ドコモやソフトバンク、auといった大手キャリアに割って入る形で近年登場した楽天モバイル。低コストで高品質な通信サービスを提供したこと、楽天経済圏の利用者に特典を与えたこと、仮想化技術によってネットワークの効率化を図ったことなどが理由で急激に普及しています。
しかし、一部ネット上からは「楽天モバイルは危ない」との声も。その理由として、まず「楽天モバイル債」の発行が挙げられます。
楽天モバイル債権の発行や堀江貴文氏の発言を受け、楽天モバイルの先行きに不安を感じる方もいるのでは。また「Rakuten最強プラン」は始まったばかりということもあり、プランのメリットやデメリット、先行きや将来性を把握できていない方も多いでしょう。
そこで今回は、楽天モバイルがなぜ「危ない」といわれるのか、利用のメリット/デメリットやおすすめする人/しない人の特徴を徹底解説。「楽天モバイルが気になるけど少し不安…」「楽天モバイル債の先行きを改めて検討したい」といった方はぜひ参考にしてください。
楽天モバイルはなぜ危ない? 6つのデメリット/リスク
楽天モバイルが「危ない」と言われる背景には、前述した「楽天モバイル債」の発行などの経営不安が挙げられます。また、「無料だと思って契約したのに1000円台の料金が発生する」といった点も挙げられます。
最初に楽天モバイルの「デメリット」を解説します。後述する「メリット」とあわせて、楽天モバイルが自分に向いているキャリアか検討してみてください。
1GB未満無料キャンペーンは終了済み | 月額料金は最低でも1,000円台
先述した通り、楽天モバイルといえば、無料キャンペーンによってユーザー数を急拡大したというイメージを持つ方も多いでしょう。実際に2022年6月までは月のデータ使用量が1GB未満なら無料というプランがありました。
以前行われていた楽天モバイルの「1GBまでの通信は無料」プランの詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
しかし、2022年7月から新プランに移行し、3GBまでで1,078円(税込)へと料金プランが変更となっています。それでもまだ安いですが、「超お得」な期間は終わってしまいました。
店舗数が少ない | 閉店ラッシュの傾向も見られる
楽天モバイルは2020年4月から本格的に4G回線の提供が始まったサービスであり、まだ実店舗数が少ないのが現状。ドコモなどが全国2,000店舗以上を構える中、楽天モバイルは2022年3月に1,000店舗をようやく突破。また日本郵政グループと提携し、全国の郵便局内に「楽天モバイル郵便局店」を展開してきました。
しかし、楽天モバイルはこの「郵便局店」を2023年4月までに約200店舗閉店。「閉店ラッシュ」として、ネット上で大きな波紋を広げました。
楽天モバイルの閉店ラッシュについてはこちらも参考にしてください。
操作サポートが有料 | 操作説明をしてもらうには550円(税込)かかる
楽天モバイルの店舗では製品やアプリの操作説明を依頼できますが、そのためには「あんしん操作サポート」への加入が必要です。加入には550円かかります。また、すべてのショップが対応しているわけではありません。対人のサポートを求める人にはあまりおすすめできません。
通話料無料にはアプリの利用が必要 | うっかり標準アプリで電話しないよう注意
楽天モバイルユーザーは、専用の通話アプリ「Rakuten Link」を使うことで通話料が無料になります。
「通話料無料」と思い込んでいると、思わぬ出費に繋がることがあります。
iPhoneは受信通知が標準アプリに届く | そのまま電話を折り返すと通話料が発生
楽天モバイルでiPhoneを使う場合、「Rakuten Link」アプリを使用していなければ、電話やSMSの通知はスマホの標準アプリに届きます。そのまま電話を折り返してしまうと前述の通り通話料がかかるため、こちらも注意が必要です。
au回線のローミングへの依存度が高い | 過去にはパートナー回線の段階的終了も
後述しますが、楽天モバイルの「繋がりにくい」「電波が通じない」といったデメリットは、2023年6月から提供が始まった「Rakuten最強プラン」でau回線のローミングが無制限になったことから大部分が解消されています。
このようにau回線によって弱点が解消された一方、楽天モバイルは以前パートナー回線を大幅に縮小した過去があります。
楽天グループは当初、他社から回線を借り受けてサービスを提供する「MVNO」からモバイル事業をスタートしましたが、2021年10月に「MNO」としてのサービスを開始。パートナー回線から自社回線へ順次切り替えを実施しました。
「Rakuten最強プラン」は楽天回線だけでなくau回線も利用することによって、高い人口カバー率を実現していることは理解しておく必要があります。過去にパートナー回線の順次打ち切りが実際に起きているのは、利用する側にとっては不安要素と言えるでしょう。
後述しますが、楽天モバイルが「プラチナバンドを獲得できるかどうか」は注視すべき点です。
楽天モバイルは「解消済み」のデメリットも多い
繰り返しになりますが、楽天モバイルは「Rakuten最強プラン」でau回線のローミングによって人口カバー率99.9%を実現しています。よって従来、楽天モバイルのデメリットとして取り上げられていた「電波が通じない」「自宅でも圏外になりやすい」といった懸念は解消されています。具体的には2023年6月より、以下の項目で大幅な改善がみられています。
【解消済み】地下鉄や高層ビルで電波が通じない
以前は楽天モバイルユーザーから、地下鉄や高層ビルなど電波の届きにくい場所で接続状況が悪いといった評判が多く聞かれました。主な要因は、屋内での通信に強い「プラチナバンド」が楽天モバイルに割り当てられていないことでしたが、プラチナバンドであるau回線も利用できるようになったことから、接続状況の悪さは解消されました。
【解消済み】エリアによっては自宅でも圏外
以前は「自宅が圏外だった」という楽天モバイルユーザーの嘆きがネット上などでたびたび聞かれていました。自分の行動範囲がエリア圏内かどうかは使ってみないと厳密にはわからないため、楽天モバイルへの乗り換えは「危ない」と言われていましたが、これもau回線のローミングによって事実上解消されたと言えるでしょう。
【解消済み】楽天回線エリア外は月5GB超過で低速化
以前は楽天回線エリア外でのパートナー回線の利用には、月5GBを超過すると最大1Mbpsまで通信が低速化されましたが、「Rakuten最強プラン」ではこの制限が撤廃され、無制限で利用できるようになりました。