金子翔太
清水エスパルスからジュビロ磐田(2022)
今2023シーズンはJ2を戦う清水エスパルスとジュビロ磐田。全国屈指のサッカーどころとして知られる静岡県のクラブとして、常に互いを意識し合う。所属選手が相手クラブへ移籍ともなれば、ファン・サポーターが過敏に反応するのも当然と言えよう。特に近年大きな話題となったのが、2014年から2021年途中までの長きにわたって清水を支えたMF金子翔太の磐田への移籍だ。
金子は2015年に一時栃木SCへの期限付き移籍こそあったものの、約7年半清水に所属。特に2018年にはJ1で34試合に出場し10ゴールをマークするなど、攻撃のキーマンとして大きな存在感を示していた。ところが2021年、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督が就任し大幅な選手の入れ替えを行ったこともあり出場機会が減少。同年夏には当時J2の磐田に期限付き移籍し、翌年は完全移籍へ移行し今に至る。
2022年J1第2節に行われた静岡ダービー。清水サポーターの元へ挨拶に現れた金子に、一部サポーターからブーイングが起こった。長く在籍していたことはもちろん、2016年1年でのJ1昇格達成から成績低迷まで苦楽を共にした選手なだけに、ブーイングはまさしく愛憎入り混じったものだったのかもしれない。
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青木拓矢
大宮アルディージャから浦和レッズ(2014)
埼玉県のクラブである浦和レッズと大宮アルディージャ。近年は浦和はJ1、大宮はJ2と別カテゴリーにいることから直接兵刃を交えることは少ないが、同県であり意識し合う関係であることは事実だろう。そんな両クラブ間では、2014年に大宮から浦和へ初の完全移籍を選んだ選手がいる。現在はFC東京でプレーするMF青木拓矢だ。
当時は互いにJ1で競い合いっていたことに加え、世代別代表、A代表への招集もあった青木に大きな期待を寄せていた大宮のサポーターにとっては、到底受け入れられなかったことだろう。移籍初年度の2014年は、開幕こそ負傷の影響で出遅れた青木だが、大宮相手のJリーグナビスコカップ第2節で復帰。終盤にはゴールも挙げ浦和の勝利に大きく貢献した。
加えて、浦和の一員となってのリーグ戦初先発を飾ったのも、同年5月10日に行われたJ1第13節の大宮戦だった。大宮のホームゲームであり、見慣れたピッチに見慣れた選手がライバルクラブのユニフォームを着て出てくる光景に、寂しさを感じたサポーターも多かったのではないだろうか。
今年で34歳を迎える青木。昨年は負傷の影響で満足にプレーできなかったが、ベテランとなりその卓越した守備技術はまだまだ健在。今後もいぶし銀なプレーに注目だ。