こちらのお店のメニューは、大戸屋のような家庭の味ですが、手作り感があってリピーターが多く、無理に新規の集客をする必要がありません。何より店内が雑然としておらず、団体や子ども連れがいない静かな環境が落ち着くのが人気の理由だと思います。

このようにお店が顧客を選択することにより、顧客層がフォーカスされて、顧客満足度が向上する。これは他のビジネスでも同じことです。

私がやっている資産運用のセミナーやコミュニティーでも、似たような投資目的や資産属性の人が集まることによって、参加者の満足度が高まります。バラバラの属性の人の集まりでは、テーマを絞り込み切れないからです。

ピンポイントに刺さる商品やサービスを提供するためには、顧客層をそろえることが一番なのです。

集客を増やすために顧客層を広げて、結果的に顧客満足度を下げてしまう位であれば、あえて規模を追わずに顧客を絞り込み、顧客満足度の最大化を目指す。その方が、中長期的なビジネスの継続につながることになります。

飲食店のユニークな顧客選別経営は、自分の仕事にも大切なヒントを提供してくれます。

編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年7月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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