波多野豪(V・ファーレン長崎)
一昨年の2021シーズン、22歳の若さで開幕からFC東京の正GKを任され、31試合でゴールマウスを守ったGK波多野豪。しかし昨2022シーズン、ベガルタ仙台から移籍してきたGKヤクブ・スウォビィクの存在で序列が一変。出場はリーグ戦で1試合のみにとどまる不本意なシーズンを過ごした。
しかし今季、環境を変えるためJ2のV・ファーレン長崎へ期限付き移籍した波多野は、ここまで24試合すべてに出場。安定したパフォーマンスで長崎の前半戦における好調要因の1つとなっている。ハイボール処理やセービング技術の高さに加え、高精度のパントキックも見せるなど、GKとしての総合力の高さを発揮。他J1クラブのベテランGKと同等と言えるほど、頼りになる姿を見せている。
長崎加入はあくまでも期限付きであり、通常であれば満了に伴い復帰する前提だろう。しかし波多野の場合、長崎で結果が残せなければ、FC東京でのスウォビィクからのポジション奪取は叶わない。それだけに、技術面での成長もさることながら、長崎が目標としている「J1昇格」の立役者となる活躍が求められている。
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櫻川ソロモン(ファジアーノ岡山)
同じJ2に属するジェフユナイテッド市原・千葉から、今季期限付きでファジアーノ岡山にやってきたFW櫻川ソロモン。パリ五輪代表候補の1人でもあり、191cm、94kgという屈強なフィジカルが武器の選手だ。
昨2022シーズン、千葉でも36試合と多くの出場機会を得て、7ゴール3アシストと数字を残していた櫻川。10位でフィニッシュした千葉よりもJ1昇格に近かった岡山(3位)では、ここまで22試合に出場し、4ゴール2アシストと前線の主軸として活躍を見せている。
期限付きとはいえ、千葉にとっては大きな戦力を手放してしまったと言えよう。一方の岡山からすれば、同カテゴリー内からの的確な補強で、冬に町田ゼルビアへ移籍した長身のFWミッチェル・デュークの穴埋めに成功したと言える。もちろん、櫻川の持ち味はフィジカルのみではない。足元も非常に柔らかく、収めて落とすだけでなく時間を作れることで、味方の上りを待てる点も大きな強みだ。
現在9位でプレーオフ圏外の岡山だが、まだまだ後半戦で十分に巻き返しは可能だ。そして、その巻き返しには櫻川の活躍と成長が一層不可欠であることも間違いない。