私は「謙譲の美徳」を学んで育ってきた世代なので、自分のことを言うのはは恥ずかしい行為だと思うのだが、1しか成果を挙げていない人でも、10倍のホラを吹くとそれを信じる人たちが多くなってきたので(ホラを吹く人も、それを信じる人も多くなってきた)、あえて、下記をお伝えしたい。

最近、Best Medicine Scientists(World’s Best Medicine Scientists: H-Index Medicine Science Ranking 2023 | Research.com)が公開された。日本人でトップ100に入っているのは2名だ。論文がどれだけ引用されたのかが評価軸なので、当然文句が出てくるだろうが、大学ランキングと同じで、評価軸にいちゃもんをつけても詮無いことだ。

また、Best Genetics Scientistsで見ていただくと、私は日本で1位、世界で11位となっている。これがファクトなのだ。私は人徳がないので、日本国内では言ってくれそうな人もなく、自分で言うしかない。それも悲しく、米国に住んでいたころが懐かしい。

日本人で、国際的なゲノム研究の歴史の証人は、私しかいない。若い人たちに、ゲノム研究の歴史を伝えたい。日本と欧米のリーダーたちの科学リテラシーの差が、ゲノム医療での彼我の差を生んだのかを考えて欲しいものだ。

編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2023年6月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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