低利用魚の「トビイカ」とは
「トビイカ」は、ツツイカ目開眼亜目アカイカ科の一種で、全長30~40cmのイカです。名前の通り、海面上をよく飛ぶことが名前の由来となっています。この「トビイカ」は、沖縄県ではよく食べられていたイカで、昭和40年代には300tを超える水揚げがあり沖縄の食文化として根付いていましたが、近年は30t程と減少しています。
その背景としては、モズク養殖やマグロ漁業への漁業転換、またトビイカは他のイカ類より味が落ちることから高値が付かない傾向にあるといったことが挙げられており、今では低利用魚種のひとつとなってしまっています。沖縄県は、水揚げ量の減少と世代交代によって食文化自体がなくなってしまうことを危惧しており、需要と食文化の存続に向けてトビイカの魚食普及を推進したいと考えています。
参照:沖縄県水産海洋技術センター (低利用資源トビイカの漁協事業連携)
商品開発者の想い
株式会社フーディソンで「いちゃキムチー」の開発に携われた、星野健一郎さんの商品に対する想いを紹介していきます。
トビイカの評価
トビイカは加熱すると固くなったり生では甘みが感じられないといった品質の評価から、商品開発が難しいジャンルのイカでした。本来であればこういったイカを商品化しようと思わないのですが、沖縄県漁連様から相談いただき、なんとかしたい想いでチャレンジしてみることにしました。
試行錯誤
試行錯誤の末、ひらめいたのがキムチのような味でした。たまたま食の展示会でバイヤーメンバーが持ち帰ってきた「ピリ辛のタレ」のサンプルが目につき「ピリ辛のタレは、トビイカの負の部分を消して、美味しくなるのでは?これは、キムチのような味だったら合うのではないか」と、思いつきました。
試作の結果、トビイカのねっとりしたよい食感があり、生でもおいしく食べられる状態になりました。まだチャレンジは始まったばかりなので、引き続き仕入れ、販売量を拡大していきたいです。
商品・会社詳細
商品の詳細を紹介します。
商品名
いちゃキムチ―
名前の由来
いちゃ(沖縄方言のいか)+ キムチ
販売店舗
サカナバッカ全店
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sakana bacca
sakana baccaは都内に9店舗(中目黒、都立大学、中延、エキュート品川店、五反田、豪徳寺、エキュートエディション新橋店、グランスタ東京店、グランスタ丸の内店)を展開する魚屋です。
日本の豊かな「魚食」の文化を一般の方にも広く伝えたいという想いから、日本の風景から減りつつある街の魚屋をモダンにアップデートし、食べて美味しいだけではなく、魚を知り、体験できるお店作りを目指して、東京ではあまり流通していない魚種や高鮮度の鮮魚を産地や市場から仕入れています。
SNSやECなども活用し、オンラインとオフラインを掛け合わせた新しい購買体験を提供することで魚離れの進む若い世代も含め幅広い世代に利用されています。