心が老化しやすい環境
問題はまだ若い年代でも、保続しやすい環境に身を置くと自分もそうなってしまうということだ。
たとえばお役所や古い体質の企業などはその典型である。仕事は常に前任者、前例に倣い、変化を嫌う。そういった変化しない環境に身をおいているので、周囲の同僚や上司もずーっと変わらない。いつしか、変化しないことがその現場をサバイブする上での最適解として認識してしまい、新入りにも同じふるまいを求めてしまう。そのまま年を取れば、内外ともに立派な老人になってしまう。
心が老化しにくい生き方筆者は過去に古い体質の企業でも、ベンチャー体質の企業でも働いてきたが両者は全くといっていいほど保続可能性が異なるように思えた。古い体質の企業では常に前例を踏襲する思考が働きやすいのに対し、ベンチャーではそもそもの「前例」がないことも多い。マニュアルがあっても変化が早いためにすぐに陳腐化してしまい、その都度アルゴリズム思考で最適解を導き出すことが求められる環境だったと記憶している。
システムも情報も人間関係もドンドンアップデートしていくので、常に勉強を余儀なくさせられる。そうしない人間はおいていかれてしまうのだ。こうなれば心は老化する暇はなく、やはりそこで働いている社員は年齢はおじさんでも気持ちはフレッシュで新しい技術も磨いていた人もいた。
経営者やフリーランスなども、ベンチャー企業のような気質になりやすい。後ろ盾は何もなく、自分ひとりで選択と結果の全責任を負うので、必死にならざるを得ない。常に勉強しないとサバイブできない。心の老化を許すということは、ビジネスも老化し、結果収益も先細りしてしまう。だから経営者やフリーランスは実年齢より若々しい人が多いのだ。
人の心の老化は自分の置かれた環境次第だろう。
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日本が変化できない国家となっている理由の1つは、国家が老化しているためだと思っている。人口ボリュームは年配が占め、消費も選挙も多くは彼らが主導権を握っている。そうなれば、商品サービスや政治は彼らを中心に回ることになる。
事実、過去記事で書いたがアニメやゲームという分野でも、アラフォー世代が楽しめることを意識したリメイク作品が旺盛となっている。国家の若返りには、年配ではなく若者を主役にする必要があるだろう。
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