初挑戦のWB「まだまだ頑張らないと」
入社した会社で懸命に働く一方、サッカー選手としても初めての経験を積んでいる原。身長150cmと小柄で、アンクラスでは主に左のウイングバック(WB)を担当。福岡大学では3年生までセンターバック、4年生になってからはボランチを務めており、実はサイドでのプレーはほぼ未経験だった。
「(ポジションについては)あまり違和感なくやれています。自分がいる場所によって使えるスペースが変わるので立ち位置は難しいです。でも、相手が来る範囲も180度なので、やり易さもありますね。身体が小さい分、予測の部分を大事にしていて、特にポジショニングはかなり意識しています」
ルーキーながら予測力と粘り強い守備を武器に、原はなでしこリーグ2部第12節終了時点(6月18日)で開幕戦を含む6試合にスタメン出場。途中出場も2試合あり、その他の試合でもベンチ入りするなど、すでに貴重な戦力として定着している。この時点でアンクラスはリーグ4位。なでしこリーグ1部に昇格するには2位以上に入る必要があり、残る6試合すべてが重要となる。
「出場機会はもらえている方だと思います。でもまだ自分の中で、納得いくプレーや試合はそんなにないんです。まだまだ頑張らないと」と自己評価は厳しい。
「将来的には海外でプレーしたい」
実はこのインタビューは企業訪問前の貴重な時間に行われた。原はインタビューが終わると、その足で上司と共に多くの企業が入るビルへと消えて行った。すれ違う人々は、まさか彼女がサッカー選手だとは思わないだろう。
「将来的には海外でプレーしたい。その後はJリーグのフロントスタッフになりたいです。サッカーと仕事の両面でいろいろ経験させてもらっているので、まずはこの環境で結果を残すことを考えています」
今できることに全力で取り組みながら、着実に自身の目標に向かって行く。原日樺からは、そんな芯の強さが感じられた。