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「タバコ休憩は給与泥棒じゃないんですか?」

先日そんな相談を受けました。

社員のタバコ休憩の回数が多く、1日に何回も行っているのに残業時間はきっちりつけるのは納得がいかないと。「非喫煙者はお昼休憩しかないのにずるい」と他の社員からの不平不満の声も出て困っているとのことでした。

タバコ休憩を頻繁にとっている人がいると、非喫煙者からすれば不満の対象になるのも無理はありません。このようなタバコをはじめとした休憩に関する社員同士の対立や不満は経営者にとっても「あるある」です。

そこで雇用の専門家である社労士の立場から、仕事中のタバコ休憩の扱いやタバコを吸う人と吸わない人が不満を抱かない対策について法的な視点から考えたいと思います。

そもそも「休憩」とはなにか?

労働基準法で定められている「休憩」は、労働者が働く時間の合間に自由に過ごすことができる時間のことです。

休憩と言っても「自由に過ごすことが出来ない時間」は、休憩ではなく労働時間になります。例えば、お昼休憩中に交代で電話当番をする場合や接客業でお客様が来るまでお店で待機しているような時間は休憩ではなく労働時間と判断されます。

労働基準法で定められている休憩時間は「労働時間に応じた休憩時間」「働く時間の間にとる」「一斉に与える」「使い方は自由」という4つのルールがあります。

● 労働時間に応じた休憩時間

労働時間に応じて図の通り休憩時間を与える必要があります。

休憩時間の上限は定められていないので、上記以上の休憩を与えても問題ありません。60分の休憩を45分と15分など分割して与えてもかまいません。