転職した人たちの離職理由の多くは「前職の給料がよくなかったから」というものだ。

では、実際に転職して給料アップとなったのだろうか。

データで見る転職後のリアルな現状

さっそくデータをチェックしてみよう。すると、リアルな現状が見えてくる。

給料の増減

厚生労働省発表の「令和2年転職者実態調査の概況」によると、転職後の年収が「増加した」と回答した割合は全体の39.0%、「減少した」が40.1%、「変わらない」が20.2%だった。

年齢別の回答状況を見ると、20~34歳までは半数近く、35~49歳までは約4割が「増加した」と回答している。しかし、50歳からは一転して「減少した」と答える人のほうが多くなっている。

労働時間の増減

労働時間については、転職前より「減少した」が39.3%、「変わらない」33.6%、「増加した」26.3%という回答だった。

20~39歳では「減少した」が約4割で、「変わらない」「増加した」それぞれを上回っている。40代前半はほぼ同じ割合だが、50代以降では「減少した」と回答する割合が高くなっている。

こうしたデータから言えるのは、給料アップを狙える転職は、40代がラストチャンスかもしれないということだ。50代以降は、仕事をバリバリやって稼ぐというより、ゆっくりと働くスタイルへの転職となっているようだ。

給与だけを基準にして転職するときの注意点

現在、給料の多寡で転職先を探している人も多いだろう。しかし、その場合には注意すべき点がある。

注意点1:給料だけが目当てだと思われてしまう

転職の目的が給料だけだと、もっと高い給料が出るならそちらに行くのかと思われてしまう可能性がある。