札幌ドーム近くで話を聞いた
現地を訪れたのは6月上旬。平日ということもあって、人影はまばらだ。札幌ドーム最寄りの札幌市営地下鉄東豊(とうほう)線の終着駅、福住(ふくずみ)駅に到着し、さっそく調査を進めることにした。
札幌ドームは札幌市豊平(とよひら)区に所在する。ドームの前を「月寒(つきさむ)通」という道路が通っており、車の往来は激しい。福住駅周辺には高層マンションや飲食店が立ち並び、駅直結のスーパー「イトーヨーカドー」も鎮座している。ただ、居酒屋などの飲食店に限っていえば、福住駅の一つ隣にある月寒中央駅のほうが多く、比較的密集している。
本稿記者はさっそく福住駅近くにある居酒屋へと向かった。今までの経験上、居酒屋こそがその地域の話題が集まる場所だと感じるのだ。店に入ると先客が数人おり、「どうぞ」と店主とみられる男性から席を案内された。まずはビールをいただき、一気飲みした。少し時間が経ったところで声をかけた。「ちょっとよろしいでしょうか」。その男性が「何か?」と近づいてきたところで質問を投げかけた。
「ファイターズが移転して、お店の状態はどうですか? 個人的に札幌ドーム周辺の飲食店の状況が気になっていたもので」
それに対し、男性はこう答えた。
「(客の入りは定員の)半分程度。新型コロナウイルスの影響もあって一時はゼロに近かったが、それも落ち着いた。現在は持ち直している。(日ハムが移転するまでは)席がほぼ埋まっていた。混雑は当たり前で、来店する客に対して入店を断ることもあった」
「日本ハムが札幌ドームに居続けてくれたらよかったのに。でも札幌市は(日ハムの引き留めに)あまり乗り気ではないように感じていたし、いろいろなところからも同じような話が聞こえてきたのは事実。もうどうしようもない」