昨日の記事「「利用規約がわかりにくい問題」を解決しよう」で、利用規約は消費者向けではなく、裁判官向けに書かれていると説明した。プラットフォーム事業者は訴訟を有利に運ぶことを何よりも優先したわけだ。
読者の大半を占める消費者には利用規約の理解はむずかしい。そこで、消費者を明確に読者と定めて、消費者が簡単に理解できる利用規約の要約をプレインランゲージで提供するようにと、欧州委員会は、EU Digital Services Actに基づいて、プラットフォーム事業者に要求したわけだ。
米国では投資家の保護のために、投資情報はプレインランゲージ原則に沿って公開するように、証券取引委員会が上場企業に求めている。2019年制定の欧州臨床試験規則でも、臨床研究結果に対する透明性を向上するためにプレインランゲージを使用するように求めている。
こうして、プレインランゲージは、政治・行政から、民間へと普及しつつある。多様性が高まりつつあるわが国でもプレインランゲージが求められる日は近い。そこで、僕らは一般社団法人日本プレインランゲージ協会をスタートさせた。関心を寄せていただければありがたい。