そこから思いはぐーん、といま現在に飛んで、玉城デニー現知事が近々中国を訪問する件に至る。

玉城知事は父の国、米国にどんな感情を抱いているか知らないが、「革新系だからアンチだろう」と決めつけるのは早計ではないか。

玉城訪中に対して、習近平主席自ら乗り出した対沖縄「統一戦線工作」(「琉球」の歴史を強調して、本土と沖縄の分断・離反を誘う作戦)に取り込まれる危惧を言う人が多いが、「日支両属」の使い分けで何百年をくぐってきた歴史のある沖縄だ。そんなやわ、うぶではないと信じる。

米軍が居なくなれば、中国は「第一列島線」上の沖縄に解放軍を進駐させようとするだろう。どちらにせよ「基地のない沖縄」にはなれない。気の毒だが、それが沖縄の戦略的、地政学的な立ち位置だ。

…と考えたとき、米国・米軍と中国・人民解放軍のどっちがマシか?

中国の印象を「良くない」と答える県民が90%という世論調査で答は明らかだと思う。

玉城知事、ASEANもインドもみんなやってる米中天秤外交、うまく立ち回れるよう祈ってまんで。w

編集部より:この記事は現代中国研究家の津上俊哉氏のnote 2023年6月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は津上俊哉氏のnoteをご覧ください。