■最悪な死に方の1つ
ウーブリエットが実際に使われていたことは確かであるが、その状況が引き起こす恐怖が我々の想像力を効果的に刺激するため、その恐怖が誇張されている可能性もある。
監禁に使われていた一方で、中世の城の地下牢であるといわれている多くのスペースは、実際には貯蔵や物置きなどのありふれた目的に使用されていた。

現実的に城に囚われの身になる人物のほとんどは、富や地位のある人物や、あるいは人質として捕らえられている政治犯だったと思われる。重要な人物でなければ単純に殺されていたはずであるからだ。
またこれらの貴族の囚人は、その地位に応じた扱いを受けることが期待でき、地下牢ではなくむしろ塔に収容されたと考えられるということだ。
中世の初期に建てられた城は戦争時の軍事要塞として機能していたのだが、戦が数年に及ぶ可能性のある籠城戦では、捕虜用の地下牢よりも食料を備蓄するための保管スペースを増やす方が合理的である。したがってウーブリエットも本来は人間を監禁する用途ではなく、単なるストレージであったと考えるほうが自然だ。

その後、大砲の発明により城の軍事要塞としての役目を終えてからは、城を刑務所として使用することが普及しはじめた。そしてこの時代から場合によってはウーブリエットが問題のある囚人や凶悪犯を収容する“独房”になったのかもしれない。
そして刑務所としての長い歴史の中では、ウーブリエットに収容したことが管理当局に忘れられてこの中で餓死した囚人がいたのだろうか。いずれにしても最悪な死に方の1つであることは間違いない。
参考:「LAD Bible」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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