タイプR登場まで最強だった三菱4G92のMIVEC

ホンダに続き、三菱も4代目ミラージュの「サイボーグ」系に積む4G92型DOHCエンジンを1992年にMIVEC化、4代目CA4Aや5代目CJ4A型ミラージュはジムカーナやダートトライアルにおいて、シビック最大の好敵手だった
1984年に2リッターの「シリウスDASH3×2」G63Bターボをスタリオンへ搭載するなど、可変バルブ機構ではホンダより早かった三菱ですが、テンロクスポーツでは3代目ランサー/ミラージュ(1987年)でDOHCターボエンジン版4G61(145馬力、後に160馬力)を採用。
DOHC NA版4G61(125馬力→130馬力)や、続く4代目で新型の4G92になっても145馬力でおとなしめでしたが、1992年にDOHC MIVEC版が登場するや175馬力で、当時170馬力のホンダB16Aを圧倒します。
三菱MIVECはホンダVTECと若干構造は異なるものの、吸排気バルブのタイミング&リフト量可変という意味では同じで、経年劣化による故障でカムプロフィール切り替えが作動しない「半ベック」という泣き所はあったものの、VTEC搭載車の有力な対抗馬でした。
1.6リッターMIVEC版4G92は、主にミラージュのハッチバック版高性能グレード「サイボーグ」系に搭載されたのが有名ですが、ホンダのシビックフェリオ同様にミラージュセダンのサイボーグやランサーMRにも搭載し、マイナーですが「隠れたFFスポーツセダン」。
ハッチバック車や2ドアクーペ版ミラージュアスティのMIVEC版4G92はジムカーナやダートトライアルの1.6リッター級FF車クラスでシビックと真っ向から戦い、EK9シビックタイプRの時代でも小型軽量のミラージュを好むユーザーは数多くいました。
自然吸気・高回転高出力型MIVECは他にも2リッターV6版がFTOやギャランなど、3.5リッターV6版がパジェロエボリューションに2000年代まで搭載、VTEC同様に環境対策用途でも発展し、軽自動車から高性能車まであらゆる車種で使われています。
他にトヨタが20バルブ版4A-GEにVVTで165馬力、日産がNEO VVL版SR16VEで175馬力(N1レース用アカヘッドが200馬力)と同コンセプトのエンジンはありましたが、搭載車が活躍してファンも多かったといえば、ホンダVTECと三菱MIVECが双璧でしょう。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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