リスク2:障害年金や遺族年金がもらえない

年金といえば、老後に支給されるというイメージを持っているかもしれない。だが、それは年金のひとつである「老齢年金」についての理解だ。

年金には加入者の死亡後に遺族の生活を支える「遺族年金」、病気やけがが原因で障害を負った際に支給される「障害年金」がある。

とくに重要なのが「障害年金」だ。民間保険をかけておらず、国民年金も納付していない状態で障害を負ってしまうと、生活が成り立たなくなる恐れすらある。

リスク3:財産差し押さえの可能性

20歳以上60歳未満の国民は国民年金の加入義務と保険料の納付義務がある。

年金が期限日までに納付されない場合、何度も納付勧奨の通知がくるが、無視すると「最終勧告状」が送付される。これにも応じなかった場合は財産が差し押さえられるのだ。

差し押さえは本人だけにとどまらず、連帯納付義務者である世帯主や配偶者の財産にもおよぶので、何としても回避したいところだろう。

10年以内なら追納が可能

支払い能力がなく、免除や納付猶予を申請したとしても、10年以内なら追納が可能だ。追納すれば年金支給額が減額されずに満額受け取れる。

経済状態が改善したら、免除・納付猶予されている期間の保険料も、可能な限り追納したほうがよいだろう。

払えなければ免除・納付猶予を申請

国民年金の納付は任意ではなく義務である。無視すれば年金の減額にとどまらず、財産差し押さえなどの対象となってしまう。

そういった事態を避けるためにも、保険料の免除・納付猶予の申請をするべきだ。

市町村もしくは最寄りの年金事務所で申請を受け付けている。支払えないときは放置することなく速やかに申請しよう。

文・馬場正裕(ファイナンシャル・プランナー)
高校教師・学習塾・予備校の講師を経て、現在は金融・保険などのマネー系Webライターとして活動中。主に、金融メディア、SDGsメディア、教育メディアに出稿している。