(骨太)三位一体の労働市場改革による構造的賃上げの実現と「人への投資」の強化、分厚い中間層の形成 (成長戦略)人への投資・構造的賃上げと「三位一体の労働市場改革の指針」
(骨太)グリーントランスフォーメーション(GX)、デジタルトランスフォーメーション(DX)等の加速 (成長戦略)GX・DX等への投資
(骨太)官民連携を通じた科学技術・イノベーションの推進 (成長戦略)官民連携による科学技術・イノベーションの推進
(骨太)スタートアップの推進と新たな産業構造への転換、インパクト投資の促進 (成長戦略)産業構造の転換と企業の参入・退出の円滑化の必要性/スタートアップ育成5か年計画の推進/インパクトスタートアップに対する総合的な支援策
などなど…
このように骨太の方針の成長戦略に関する部分と、成長戦略は一致するところが多いのです。ただし、経済政策については成長戦略の方がより、細かく幅広に記載をしているという印象がある一方で、骨太の方針に記載が集中している政策分野(こども政策など)もあるため、どちらか片方だけ読めばいいというものではありません。
骨太の方針も成長戦略も今後の政策の方向性を知るための、一級の政策文書であることには変わりがないので、両方読み込むことが必要ではありますが「そもそも両者の違いは何?」というところで、立ち止まっている人は、今ご説明したような内容を理解してもらえればよいかと思います。
骨太の方針の方が幅広い分野をカバーしているので、格上のように見えるかと思いますが、どちらも閣議決定文書なので、政策実現という観点では基本的に優劣はないと考えてもらってよいでしょう(骨太の方針を議論する経済財政諮問会議は内閣府設置法という法律に根拠がある恒常的な組織なので、位置づけとしては格上と言われることがあります)。それぞれの文書で矛盾した記載があるわけではないので、それぞれ大事な文書として横並びで読み込んでもらえればと思います。
(執筆:西川貴清、監修:千正康裕) 講演、コンサルティング、研修のご依頼などはこちら
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編集部より:この記事は元厚生労働省、千正康裕氏(株式会社千正組代表取締役)のnote 2023年6月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。