目次
乗り心地の良い車の定義
【国産車】乗り心地の良い車5選
乗り心地の良い車の定義

乗り心地のいい車の定義とは、主に次の3つのバランスが良い車と言えます。
サスペンションの性能
シャーシの剛性
室内空間
たとえ高級車であっても、このバランスが悪いとそれは乗り心地の良い車とは言えません。
反対にこの3つのバランスが良ければ、大衆車でも乗り心地の良い車が実現します。
ここからは、それぞれの項目が乗り心地にどの様に影響してくるのか、詳しく紹介していきたいと思います。
サスペンションの性能
サスペンションとは、車の足回りの重要な部品です。おもに路面の衝撃をやわらげたり、車の姿勢を保つ働きをします。
サスペンションの種類には
リジッドアクスル(車軸懸架)
ストラット(独立懸架)
上記の2種類があり、乗り心地が良いとされる車のほとんどはストラットを採用しています。
両者の違いは、漢字から見てもわかるように、車軸が繋がっているか、繋がっていないか。
タイヤの左右輪が1本の軸で繋がっていればリジッドアクスル。1本の軸で繋がっておらず、左右で独立した動きをするのがストラットという分け方です。
身近な例でいえば、“ミニ四駆がリジッドアクスル”、“ホビーラジコンがストラット”といった具合です。
この2つは当然価格も異なりますし、走行性能も比べ物になりません。子供の頃こういったおもちゃで遊んでいた方なら、その違いが直感的にわかるかもしれませんね。
シャーシの剛性
いくらサスペンションが良くても、肝心なシャーシが劣っていると乗り心地のいい車とは言えません。
シャーシとは車の骨組み部分であり、車本体といっても過言ではない部分です。
このシャーシが柔らかく、しなりやねじれが大きな車は、軋み音や振動が車内に伝わり、乗り心地が悪くなります。
このシャーシの硬さの事を“剛性”といいますが、剛性が高い車はサスペンションがしっかりと機能し、安定した走りを実現します。
走行中も車体が揺れることなく、常に落ち着いた姿勢を保つ車両のドライブは、本当に乗り心地が良く、いつまでも乗っていたい気持ちになります。
室内空間
室内空間も、乗り心地の良い車には欠かせないポイントです。
これは広ければいいというわけではなく、運転手も同乗者もみんなが快適に乗っていられる室内空間を提供してくれる車両であるかどうかが重要です。
例えば、トヨタ ハイエースは室内空間はとても広々していますが、基本設計はトラック。
堅牢なシャーシであるラダーフレームにリジッドアクスル、リーフスプリングといった組み合わせは、乗り心地面では優れているとは言えません。(貨物車としてはとても優秀です)
反対にコンパクトカーの代表格、ホンダ フィットなどは、ワンボックス車に比べると室内空間は狭いものの、大人4人が座ってもゆったりできるスペースを確保。
フロントシートに至っては、座り心地を重視した“ボディスタビライジングシート”なるものが搭載されました。
これによってコンパクトカーとは思えないほどの乗り心地を実現し、車内の広さだけが乗り心地に影響するわけではないことを証明してくれています。
【国産車】乗り心地の良い車5選
ここからは国産車の乗り心地の良い車5選を紹介していきます。
高級車だけではなく、ミニバンやコンパクトカーでも乗り心地の良い車を厳選しました。気になる方は是非試乗しに行ってみて下さいね。
ホンダ フィット
トヨタ クラウン
トヨタ アルファード
日産 ノート
スズキ ハスラー
ホンダ フィット

先程もご紹介したホンダ フィット。現行モデルから3ナンバーとしてモデルチェンジしたこの車両は、コンパクトカーの中でもトップクラスの乗り心地を誇ります。
中でも特筆すべきが室内空間とフロントシート。
ボディサイズを大きくとることで、座席はどこに座ってもゆったり快適です。特にリアシートは大きくスペースを取っており、コンパクトカーとは思えないゆとりを提供します。
また、フロントシートには人体の構造に合わせて設計したボディースタビライジングシートを搭載。
長時間座っても疲れないシートになっているらしく、ロングドライブの疲労も大きく軽減してくれるでしょう。
トヨタ クラウン

乗り心地の良い国産車といえば、トヨタ クラウンは外せません。
まず凄いのがシート―ヒーター。温度は3段階調整となっていて、あたたまる部位も背面から座面まですべて温まります。加えてフロントシートにはシートベンチレーションを装備。
シート自体がエアコンの冷気を吸い込むことで、長時間のドライブでこもったシートの熱を、短時間で冷やしてくれます。
次に凄いのがサイドシルの設計。車の乗り降りがしやすいようにドアステップの位置を最適化。腰高なモデルとなった現行クラウンではありますが、乗り降りに不便さを全く感じさせない配慮がなされています。
シャーシ、サスペンションが素晴らしいのは言うまでもありませんが、室内空間の快適性、乗り降りの利便性まで考えられたクラウンは、まさに乗り心地ナンバーワン国産車でしょう。
トヨタ アルファード

トヨタの高級ミニバンアルファード。乗り心地といえばこの車も忘れてはいけません。
こちらは室内空間が素晴らしいのは周知の事実ですが、意外と知られていないのが、駆動系の完成度。
トヨタの新型ミッションDirect Shift-8AT(ダイレクトシフト-8AT)を搭載することで、ギア比をワイドレンジ化。
さらに小型化されたトルクコンバーターによってミッションの搭載位置をさげ、低重心化を実現します。
これによってアルファードは全高が高い車にも関わらず、フラフラしない、安定した走りが可能となり、ドライビングレスポンスも非常によい車になりました。
室内空間とそれを支える足回りやシャーシが高い次元で完成されている車の代表ですね。
日産 ノート

“やっちゃえニッサン”でお馴染みの日産 ノート。こちらも乗り心地の良いコンパクトカーです。
乗り心地の良さを実現しているポイントはe-POWER。
アクセルオンで走り出すダイレクト感と、アクセルオフで緩やかに減速するエンジンブレーキのような動きは、スムーズな走りを演出。
ストレスフリーな操縦性で、ドライバー、同乗者ともに快適なドライブを満喫できます。
もちろん室内空間もコンパクトカーらしからぬ広さを確保。前モデルと比較すると室内高が1,420mmと若干低くなってしまいましたが、それでもゆとりのあるヘッドクリアランスを確保しています。
スズキ ハスラー

軽自動車だって乗り心地の良い車は存在します。特に、スズキ ハスラーは軽自動車の中でも群を抜いた乗り心地に仕上がっています。
その秘密はスズキの新設計シャーシ“HEARTECT(ハーテクト)”。
このフレームは軽量かつ高剛性な設計が特徴で、軽自動車にありがちなボディの軋み音や、車内に伝わってくる走行音を限りなく低減します。
またHEARTECTのほかにもフレーム接合部に構造用接着剤の使用や、ボディの各部に“環状骨格構造”を用いるなど、ハスラーはフレームの強化に重点を置いた車両となっています。
走りだけではなく、乗り心地も追求したハスラーは軽自動車トップクラスの快適性を誇る一台です。