今月15日、北朝鮮から2発の弾道ミサイルが発射され、日本のEEZ=排他的経済水域内に落下したとを防衛省が発表した。金正恩総書記は“ミサイルマン”とあだ名されるほど弾道ミサイルの運用に熱心だが、どういうわけだが独裁者はミサイルに魅了されるようだ。

イラク大統領だったサッダーム・フセインは、「バビロン砲」と呼ばれる全長150mの途方もない巨砲(宇宙銃)を建造していた。その背後にいたカナダ出身の天才科学者ジェラルド・ヴィンセント・ブルが1990年に暗殺され、計画は頓挫したが、完成してたらどんな惨事が待ち受けていたのだろうか……。

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※ こちらの記事は2018年4月16日の記事を再掲しています。

150mの宇宙銃「バビロン砲」で世界を脅した天才科学者・ブルとは? 南国で見つけた残骸と謎に包まれた暗殺
(画像=『TOCANA』より引用)

50年以上の時を経た当時の実験場所(バルバドス) 写真提供:羽仁礼
ドゴォォォオオーーーン!!!


耳を弄する轟音と激しい衝撃波が、小さな島全体を揺さぶった。サトウキビ畑で作業をしていた農民たちは思わず空を見上げ、粗末な家の中からも大勢が飛び出してきた。そして人々は、南東方向に立ち上る巨大な火柱を見つけた。

「またあの博士の実験か」

事態を確認した住民は、それぞれに納得して各々の仕事へと戻る。風に散らされて消えてゆく黒煙を、いつまでも飽かずに眺める子どもたちもいた。

1965年当時、カリブ海に浮かぶ島国バルバドスはイギリス支配下の自治領だった。その頃、この島の南東端パラゴン地区では、とある科学者が奇妙な実験を行っていた。