昨今は男性のスキンケアや脱毛に関する関心が深まっており、クリニックやサロンも多く展開されています。ヒゲ脱毛は代表的ですが、実際の施術において痛みが発生するという話も聞くでしょう。今回はヒゲ脱毛がどの程度の痛みなのか、軽減する方法などについても解説します。
ヒゲ脱毛が痛い理由
ヒゲ脱毛に関心のある男性も、現在では多いかと思われます。ただ、懸念材料として大きいのが実際の脱毛施術における痛みです。なぜ脱毛に際して痛みが発生してしまうのでしょうか?
痛い理由①太く濃い毛が密集しているため
その1つ目の理由として挙げられるのが、太く濃い毛がヒゲの生える辺りに密集しているからというものです。ヒゲは一般的に他の体毛と比べて太く、濃い特徴があります。また、ヒゲは顔の一部分に密集して生えており、多数の毛穴が近接しています。
そして実際の脱毛を行う際、一般的なレーザー脱毛を例に挙げてみると黒いメラニンの色に反応するレーザーが照射されます。この際、密集している分強めの痛みを感じる傾向があるのです。
脱毛の際には、これらの太く濃い毛や密集した毛穴を一度に処理する必要があります。そのため、毛の抜ける過程で痛むことが多いという訳です。
痛い理由②顔の皮膚が薄いため
続いては、顔の皮膚の薄さによるものです。顔の皮膚は体の他の部位に比べて比較的薄く、かつ敏感でもあります。手や足以上に顔周辺の皮膚は敏感に刺激に反応するものだというのは、誰でも何となく実感しているところでしょう。
ヒゲ脱毛では、光や熱などの刺激を使用して毛根に働きかけることが一般的な処方となっています。光や熱を利用してヒゲを脱毛する際には、この深い位置にまで刺激が及ぶ必要があります。毛根に近い刺激が直接伝わりやすく、痛みを感じやすいという訳です。
痛い理由③数多くの神経が通っているため
また、神経が多く通っている部位であることも影響しています。先にご紹介した通り顔の皮膚は薄めで敏感なのですが、なぜ敏感なのかは生物に備わっている神経の多さが理由になっています。
顔面には三叉神経という大きな神経が走っていて、この神経は顔の様々な部位に枝分かれしています。特にヒゲの生える部分には感覚神経が集中しており、その周辺には痛覚受容体が多く存在します。
ヒゲの成長する部位には神経も密集しており、毛根に近い位置に存在します。そのためヒゲ脱毛時には神経に刺激が加わり、腕や足などの四肢以上に痛みを感じることが多くなっています。
ヒゲ脱毛の施術方法別の痛み
ヒゲ脱毛時に痛みを感じやすくなっているのは、そもそも顔に対して脱毛を行っているからという理由が大きいもようです。続いて、脱毛の施術方法別にどの程度の痛みがあるのかを解説していきましょう。
光脱毛と単発式レーザー脱毛の痛みの度合い
まず、光脱毛および短髪式レーザー脱毛の痛みの度合いについてです。光脱毛は、特定の波長の光をヒゲの毛根に照射することで、毛根を破壊しヒゲの成長を抑制する方法となります。
主にエステやサロンで用いられている施術の方法であり、メラニン色素が光を吸収し熱に変換されるとその熱エネルギーが毛根の周囲に伝わります。この熱エネルギーが毛根に集中することで、毛根の組織が破壊されます。
痛みに関しては、よく「輪ゴムで弾かれたような痛み」と形容される事があります。光脱毛による熱の照射によって毛根周辺の組織が加熱されますので、特に照射された部位が敏感な場合や光の強さやパルスの速さが高い場合は、痛みがより強いかもしれません。
そして単発式レーザー脱毛というのは、別名IPL方式とも呼ばれている脱毛の方式になります。先にご紹介した光脱毛はエステやサロン等で用いられる方法ですが、こちらは医療脱毛と言ってクリニックで用いられる脱毛の方式です。
基本的な脱毛に関する原理は光脱毛と同一で、ヒゲの毛根に集中的なエネルギーを照射することで、毛根を破壊しヒゲの成長を抑制する方法となっています。一度の照射で毛根を破壊するため、短時間での処理が可能な利点があります。
ただし、光脱毛が比較的痛みは少なめであるのに対して医療脱毛である単発式レーザー脱毛においては毛根を破壊するレベルの強いレーザーを照射します。レーザー光が照射される瞬間、ピリッとした痛みや熱さを感じることがあります。
レーザー照射後には赤みや腫れ、一時的な炎症が生じることがあります。これは毛根の破壊や周囲の組織への熱の影響によるもので、通常数日から数週間で症状は軽減していきますが、光脱毛と比べると痛みは強めになっています。
医療脱毛は痛いが永久脱毛が可能
この様に、エステやサロンで採用されている光脱毛と、クリニックで行われる医療脱毛ではそれぞれで痛みの度合いに差があります。勿論感じる個人差はあるでしょうが、基本的には医療脱毛の方が痛みやすくなっています。
それでも、医療脱毛には痛みがある分の利点があり、それが永久脱毛です。高出力のレーザーや光を使用して毛根に熱を与え、この熱によって毛根の組織が破壊され、再生能力を失うことで永久脱毛を実現します。
また医療脱毛で使うレーザーはすべて医療機器として厚生労働省より認可を得ているものです。確かに痛みは光脱毛よりはあるでしょうが、永久脱毛という効果を考えれば妥当と思えるかもしれません。