嵐の日に屋内で雷に打たれ、3日間生死の間をさまよった末に生還した女性がいる。この体験の後、女性にはある種の“第六感”が備わったという――。
落雷の高圧電流でキッチンに立つ母親が感電
広大な平野部が到る場所にあるアメリカは毎年のようにハリケーンやサイクロンで甚大な被害を被っている。
2009年6月11日、米テキサス州はわずか5分間で1200回の落雷が起きるという凄まじい嵐に襲われた。
嵐の日、テキサス州フォーニーの自宅にいた6児(内2人が継子)の母親、キンバリー・クローンさん(当時29歳)はキッチンに立ってシンクの前で料理の仕込みに使う金属製のバットを手にしていた。

その時、屋敷に雷が落ちたのだった。雷の電流が屋内の電線を通ってキッチンに到達し、金属製の流し台がスパークしたのである。そして手にしていたバットにも高圧電流が伝わり、感電したクローンさんの身体は硬直した後、床に倒れ込んだ。
「私はこうしてそれ(バット)を拾い上げて、こちらに移動させたのですが、持って行って置く前に、窪んだ照明の隙間から稲妻が落ちてきました。痛みも覚えていますし、焼けるような匂いも覚えています。燃え上がるような感覚がありましたが、早く終わってほしいということしか考えられませんでした」(クローンさん)
近くでビデオゲームをしていた息子のトリスタンくん(当時9歳)は母親の危機にいち早く気づいてすぐに携帯電話から911に電話をした。
起き上がることができないほどのダメージを受けた母親の窮状に少年は取り乱し、電話に出た担当者に「天井から稲妻が落ちた」、「母親はとてもダメージを受けている」と、切羽詰まった口調でまくしたてた。当局の通話記録には明らかに取り乱した少年が母親に「死なないで」と懇願する録音が残っている。
そしてこの電話中に再び落雷が屋敷を直撃し、別の部屋にあるパソコンが爆発したのだった。
