人目をはばからず好き勝手することを「傍若無人(ぼうじゃくぶじん)」と言います。
これは勝手気ままに振る舞うようなことを言う四字熟語です。
しかし、なぜそれを「傍若無人」と表現するのでしょうか?

今回はそれら「傍若無人」の意味について解説します。
それだけでなく由来や語源、類義語についても説明します。

目次
「傍若無人」とは
 ・「傍若無人」の意味
 ・「傍若無人」がいい意味で使われることはまずない
「傍若無人」の由来
 ・歴史書「史書」に登場する『刺客』の性格から
 ・「傍若無人」を訓読すると・・・

「傍若無人」とは

「傍若無人」とはどんな意味の四字熟語?いい意味で使われることはあるの?その由来や類語語は?
(画像=『FUNDO』より引用)

まずは「傍若無人」の意味についても見ておきましょう。

「傍若無人」の意味

「傍若無人」とは人目をはばからず勝手気ままな言動をすることを言います。
これらは周囲など気にせず好き勝手に振る舞うことの例えです。

なお、近年は横柄や無礼という意味で使用されることもあります。
それら人を人とも思っていないような人に対して使用されることが多いと覚えておきましょう。

「傍若無人」がいい意味で使われることはまずない

「傍若無人」は幅広いニュアンスで使用される言葉と言えます。

しかし、そのほとんどはネガティブな意味合いで使用されます。
そもそもポジティブな意味合いでは使用されません。

あくまでも人目を気にせずに振る舞うという意味となります。
例えば、電車の中で他の乗客がいるのにタバコを吸ったりお酒を飲んだりして騒ぐ輩がいたとすれば、それはまさしく「傍若無人」と言えるでしょう。

中でも、そこに人がいるのにまるでいないかのように好き勝手に振る舞うことを言った言葉が「傍若無人」となります。

「傍若無人」の由来

「傍若無人」とはどんな意味の四字熟語?いい意味で使われることはあるの?その由来や類語語は?
(画像=『FUNDO』より引用)

では「傍若無人」はどこから来た言葉なのでしょうか?
ここからはその由来や語源についてまとめます。

歴史書「史書」に登場する『刺客』の性格から

「傍若無人」は古代中国の歴史書「史記」にある刺客の話から来ていると考えられています。

その昔、中国の戦国時代末期に荊軻という刺客がいました。
彼は書物が好きで仲間も多く、毎日のように楽器を弾いて歌って楽しんでいたことで知られています。

しかし、酔いが回ってくると今度は仲間と一緒に大声で泣き出すなど騒がしい一面もあったとされています。
そんな彼の様子を見て、人々は「旁らに人無き者の若し」と言ったのだとか。

その言動を「まるで人がいないかのようだ」と表現したわけです。
そこから「傍若無人」という言葉が生まれたとされています。

ちなみに彼はその後、燕の太子丹の命を受けて秦に赴きました。
そして後の始皇帝となる秦王政を暗殺しようとするが失敗し、最後は逆に殺害されてしまいます。

「傍若無人」を訓読すると・・・

「傍若無人」と訓読みすると「傍らに人無きが若し」と読まれます。

これは近くに人がいないように見えることを言っています。
つまり「傍若無人」は人がいないかの如く好き勝手に振る舞っていることを言った表現ということです。