ダイヤモンドオンラインに自民・公明・維新の三者のややこしいトライアングルについて書いた。詳しくは元の記事をご覧頂きたいが、趣旨は以下のようなことだ。
「自民・維新」連立政権が得策ではない理由、“自公対立”解消のカギは?
① 野党第一党を窺うまでに成長した維新にとっては、政権を取ることが現実性をもってきており、自民との連立は意味がないから、自民が公明の代わりに維新と連立を組むというのは現実性がない。
② 自民は公明を切り捨てて、政策を右傾化させ、純粋に保守政党として生きる道もないわけではないが、その場合には、与党になったり野党に落ちたりが関の山で(野党暮らしの方が長くなる可能性大)、憲法改正など夢のまた夢になること。
③ 自民党の保守派が、公明党に政策面で譲歩しすぎという人がいるが、それは、選挙で公明党から自民党への貢献の方が、その逆より大きいからである。もし、もっと集票で公明党に保守派が協力すれば、政策面では譲歩を引き出せるだろう。たとえば、自民党の保守派の政治家の小選挙で、政策面で公明党支持者に好かれない面があったとしても、比例区で数字として公明党を押し上げるのに協力したら問題はないはずだ。
なお、自民党支持者は、公明党が自衛隊を憲法に明記することを嫌っていると誤解している人がいるが、間違いだ。その点について、ちょっと説明しておこう。

公明党・自民党 両党HPより
「自民党の保守派は、公明党との連立などしているから憲法改正ができない」とか「維新と連立を組めばいい」などの声もある。
だが、公明党は、憲法改正には積極的でないが、拒否しているわけではない。ただ、第9条の改正には慎重である。太田昭宏代表の時代、安倍晋三首相(当時)に現在の第9条に手を加えないなら受け入れる可能性があるという耳打ちがあり、安倍氏はそれまで自民党が掲げてきた過激な改正案を諦めて、「第9条の2」を加える現在の自民党案に転換したといったことが、『安倍晋三回顧録』(中央公論新社)に書いてある。