ランキング表から読み取れること
上記のランキングから、日本株に比べて外国株に投資するファンドの人気が高いことがわかる。多くの人が、米国株を中心とした世界の株式に投資することが効果的だと考えている証拠だ。
投資信託には、専門家が独自に銘柄を選ぶアクティブ運用と、日経平均株価などの指数に連動するように設計されたインデックス(パッシブ)運用の2つがある。
アクティブ運用は専門知識が必要で、インデックス運用に比べて管理費用(信託報酬)が高い傾向にある。表の中で唯一アクティブ運用に該当する「ひふみプラス」も、管理費用は高めだ。
現状のつみたてNISA利用者は、コストの安いインデックス型のファンドを使って外国株に積極投資していることが分かる。
筆者は、将来のインフレを心配するなら、日本株の指数に連動するインデックス型のファンドにも投資することをおすすめする。分散投資の観点からも、現状は外国株に投資するファンドの比重が高すぎるように思えるからだ。
純資産の少ないファンドは避ける
純資産1位のファンドは約2兆円の資産規模を誇るが、その一方で、純資産が10億円未満のファンドも存在する。来年からつみたてNISAの運用期間が無制限になることを考慮すれば、筆者は純資産が最低でも200億円以上あるファンドを選ぶことをおすすめする。
管理費用(信託報酬)は大きな差がある
管理費用は、ファンドによって0.1~1.6%と大きな差があるため、この数年間はコストの安いインデックス運用に人気が集中している。投資家のコスト意識は高いので、今後もこの傾向は続くだろう。
プロは「シャープレシオ」を重視する
リスクとリターンを比較する重要な指標に「シャープレシオ」がある。簡単に言えば「リターン÷リスク」で算出するのだが、この数字が大きいほど、優秀なファンドであることを示している。投資信託を評価する“ファンドスコア”もシャープレシオを参考にして作られている。
ドルコスト平均法で考える
「ドルコスト平均法」とは、価格変動する金融商品を定期的に一定金額ずつ購入する投資手法だ。この手法は、価格が低い時には購入量を増やし、高い時には購入量を減らすことで、投資リスクを減らしている。
つみたてNISAもこのドルコスト平均法を採用しており、リスクの高い株式型のファンドを選ぶ理由にもなっているのだ。
銘柄選びは慎重に!
つみたてNISAの最大のメリットは、運用益が非課税になることだ。そのため、リスクは高いが株価の上昇が期待できる外国株に投資するファンドが人気化しやすい。
ただし、積立運用には長期的な視点が必要であり、安定したファンドを選ぶことも大切になるだろう。
※本記事は専門家の視点で執筆したものであり投資を目的としたものではありません。投資の最終決定はご自身の責任と判断で行ってください。
文・IWANAGAHIM
キャリア30年以上の投資アドバイザー。CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種証券外務員。